退職手続きガイド【健康保険編】~保険証の返却方法は?退職後の加入はどうすれば?~

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退職手続きガイド【健康保険編】
~保険証の返却方法は?退職後の加入はどうすれば?~

会社員であれば健康保険の加入者であり、入社と同時に会社経由で加入手続きを行い、いつの間にか「健康保険証」が手元に届いたという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
一方で退職となると健康保険の脱退手続きが必要となりますが、退職を経験した方とはいうのは定年退職を除けばそう多くはいません。
また退職後の状況によっては加入手続きの方法が異なることから、人に相談しても解決できない場合があります。
今回はそんな悩みを持つ方に、「保険証の返却方法」や「退職後の加入手続き」についてわかりやすく解決していきます。

手順①
健康保険証の返却

まず退職が決まった段階で必要となるのが健康保険証の返却となります。
健康保険証は会社員である本人と、その扶養家族が対象となっているので、家族がいる方は家族分も含めて健康保険証を返却することとなります。
健康保険の場合は、健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)のどちらかで加入されていますが返却先は退職する会社となりますので、
以下のとおり健康保険証の返却の際のポイントをまとめたので事前に確認しておくと良いでしょう。

【健康保険証の返却先】

・会社(退職する会社)
退職する際に、会社(人事部や総務部…etc)から返却を求められますので、必ず返却しましょう。
会社に返却された健康保険証は、会社から資格喪失届とともに健康保険組合や全国健康保険協会へ提出されます。

【返却するもの】

・健康保険証
自分自身の健康保険証はもちろんのこと、家族が被扶養者として加入している場合は、家族の健康保険証を含みます。
※紛失して返却できない場合は、会社へその旨申し出でましょう。
(まだ退職まで時間がある場合は、会社へ申し出て健康保険証を再交付してもらうことも可能です)

【返却するタイミング】

・退職日までに返却
退職日までは健康保険証は有効ななので、退職日まで会社に出勤する方は、退職日当日に会社へ返却しましょう。
※有給休暇使用等で最終出勤日が退職日よりも前の場合は、郵送での返却が可能か事前に会社へ確認しておくと良いでしょう。
(先に健康保険証を返却してしまい、退職日までの間に病院を受診した場合、治療費は一旦10割負担となりますが、会社へ申出すれば7割分は返金されてきます)

【健康保険料】

・資格喪失日(退職日の翌日)の前月分までを負担
EX①9月29日に退職した場合(資格喪失日9月30日)⇒9月分の保険料は発生しない
EX②9月30日に退職した場合(資格喪失日10月1日)⇒9月分の保険料が発生する(最後の給料から控除されます

【会社から受け取っておく書類】

・健康保険資格喪失証明書
健康保険証を返却し、資格も喪失して手続きが完了すると、会社経由で健康保険資格喪失証明書が発行されます。
再就職後に改めて健康保険に加入したり、国民健康保険に加入する場合に必要となる場合もあり、会社に予め申し出おいて方が良いでしょう。

手順②
退職後の加入手続き

退職する会社での健康保険証の返却が終わった後、次に行うのは退職後の保険加入手続きとなります。
ご存じのとおり社会保険は国民皆保険とも言われており、国民全員が何かしらの社会保険に加入することとなりますが、退職後の状況によって加入する保険も異なってくるため、まずは自分自身がどのパターンに当てはまるのかを確認しておくと良いでしょう。

 

Ⓐ【退職後は1日のブランクもなく再就職する場合】
会社を辞めて1日のブランク(無職期間)もなく再就職する方は、再就職後の会社で引き続き健康保険に加入することとなります。

Ⓑ【退職後は一定のブランクを経て再就職する場合】
【退職後、個人事業主として開業する場合】
会社を辞めて一定期間のブランク(無職期間)を経て再就職する方は、空白期間中が無保険の状態となるため、

その期間中は以下のとおり何かしらの形で社会保険に加入することとなります。

  1. 家族の被扶養者として健康保険に加入する
  2. 加入していた健康保険の任意継続被保険者となる
  3. 国民健康保険に加入する

 

退職後は1日のブランクもなく再就職する場合

退職後に1日のブランク(無職期間)もなく新しい会社に再就職する方というのは、その会社で引き続き健康保険に加入することとなります。
一般的には新しい会社の方から健康保険への加入申請の案内が来るので、その案内どおり手続きを進めることとなりますが、手続きの流れやポイントをまとめると以下のとおりです。

【手続きの流れ】

・再就職先の会社が、健康保険資格取得届を健康保険組合または全国健康保険協会に届け出ます。
・手続きが完了後、健康保険証が手元に届きます。

【留意点】

・会社から提出を求められるケースがあるため、予め前の会社から健康保険資格喪失証明書を受け取っておきましょう。
・扶養している家族がいる場合は、被扶養者としての届け出も忘れないようにしましょう。
・健康保険証が手元に届くまでは一定日数がかかるため、その間緊急かつ不可避の治療費が発生する場合は「被保険者資格証明書」の発行を会社へ申し出ておきましょう。
(※被保険者資格証明書は全国健康保険協会が管轄している場合に限ります)

 

退職後は一定のブランクを経て再就職する場合

退職後に一定のブランク(無職期間)が経たうえで新しい会社に再就職する方というのは、ブランク期間=無保険状態となるため、3つの選択肢から社会保険に加入することになります。
3つの選択肢ともにメリット・デメリットがあるため以下のポイントを踏まえながら、加入方法を選択するのが良いでしょう。

 

■家族の被扶養者として健康保険に加入する方法

出典:味の素健康保険組合HP

家族の被扶養者として健康保険に加入する方法について、まず健康保険における被扶養者となることができるのか確認しておきましょう。
家族の場合でも配偶者や子供などの一定範囲の家族であれば年収条件だけとなりますが、3親等以内の親族(直系尊属は除く)は年収条件と同居条件が必要となります。

【被扶養者となるための年収条件】

・被保険者と同一世帯に属している場合
年間年収が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ被保険者の年間年収の2分の1未満
(※年間年収は、過去1年間ではなく、今後1年間で想定される年収となります)

被保険者と同一世帯に属していない場合
年間収入が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合

【手続きの流れ】

・健康保険に加入している方(家族の方)が勤務している会社に「健康保険被扶養者(異動)届」を申し出ます。
・会社から「健康保険被扶養者(異動)届」を健康保険組合または全国健康保険協会に届け出ます。
・手続きが完了後、家族が勤務している会社から健康保険証が届きます。

【留意点】

・退職したことがわかる証明書(健康保険資格喪失証明書、退職証明書、雇用保険被保険者離職者..etc)の提出が求められるので予め準備しておきましょう。
・収入がある場合はその証明書(雇用保険受給資格者証のコピー…etc)の提出が求められるので予め準備しておきましょう。
・同居条件がある場合は住民票(原本)が必要となりますので予め準備しておきましょう。
・健康保険証が手元に届くまでは一定日数がかかるため、その間緊急かつ不可避の治療費が発生する場合は「被保険者資格証明書」の発行を会社へ申し出ておきましょう。
(※被保険者資格証明書は全国健康保険協会が管轄している場合に限ります)

【メリット】

・保険料負担がない
被扶養者に保険料負担はなく、また健康保険に加入している家族の保険料も増えない。

【デメリット】

・年収条件や同居条件がある
条件を満たさない場合は被扶養者になることができない。

 

■加入していた健康保険の任意継続被保険者となる方法

退職後もそのまま加入していた健康保険に継続して加入することができます。なお加入するにて一定の条件が必要となりますので、予め確認しておくと良いでしょう。
なお、任意継続被保険者となる場合は、扶養家族もそのまま健康保険に加入することができますが、加入できる期間は最長で2年間となります。
また一旦加入すると、後で国民健康保険や家族の被扶養者として健康保険に加入することができないため、保険料の負担をシミュレーションしたうえで検討すると良いでしょう。

【任意継続被保険者となれる条件】

・退職日までに継続して2ヶ月以上、健康保険に加入していたこと。
・退職日の翌日から20日以内に手続きをすること。
(※期限を過ぎると申請ができなくなるので注意が必要です)

【手続きの流れ】

・自分で「任意継続被保険者資格取得申出書」を健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)に提出します。
※健康保険組合の場合もともと加入していた健康保険組合へ、全国健康保険協会の場合は自分の居住地を管轄している窓口へ提出します。
※申請は自分自身で行います。

・会社からは「健康保険資格喪失届」を健康保険組合または全国健康保険協会に届け出ます。
・手続きが完了後、健康保険組合または全国健康保険協会から、健康保険証が届きます。

【留意点】

・退職したことがわかる証明書(健康保険資格喪失証明書、退職証明書、雇用保険被保険者離職者..etc)の提出が求められるので予め準備しておきましょう。
・被扶養者の収入がわかる資料(課税・非課税証明書、源泉徴収票…etc)の提出が求められるケースもあるため、予め準備しておくと良いでしょう。
・被扶養者との同居を確認するため、住民票(原本)が必要となるケースもあるため、予め準備しておくと良いでしょう。
・健康保険証が手元に届くまでは一定日数がかかるため、その間緊急かつ不可避の治療費が発生する場合は「被保険者資格証明書」の発行を会社へ申し出ておきましょう。
(※被保険者資格証明書は全国健康保険協会が管轄している場合に限ります)

【メリット】

・保険料が前納できる
半年ベースまたは年間ベースで保険料を前払いすることで割引が適用される。

・被扶養者もまとめて加入できる
年収条件や同居条件がクリアできていれば、被扶養者もそのまま健康保険に加入できる

【デメリット】

・保険料が全額自己負担となる
退職前の保険料は、労使折半のため会社が半分負担していますが、任意継続の場合は全額自己負担となります。
※保険料は毎月10日が納期限となります。

・勝手にやめることができない
一旦任意継続として加入すると、原則2年間はやめることができないため、途中で「国民健康保険」や「家族の被扶養者として健康保険」に切り替えることはできません。
※保険料が未納だった場合、また再就職後に健康保険に加入した場合は任意継続被保険者をやめることができます。

・傷病手当金・出産手当金がない
退職しているため、ケガや出産による休業補償は受けられないので注意しましょう。

※手当金の支給を受けている人がそのまま退職した場合、一定期間の範囲で支給されることがあります。

 

■国民健康保険に加入する方法
退職後は健康保険ではなく、都道府県・市町村が運営する国民健康保険に加入する方法があります。
国民健康保険はどちらかというと個人事業主や自営業の方やその家族が加入する社会保険であり、会社員の方にはあまり馴染みがないかもしれません。
ただ退職後に起業する場合や、健康保険に加入できない場合、また任意継続被保険者の有効期限(2年間)が切れた場合は、こちらの方法で加入することとなるため、予め確認しておくと良いでしょう。

 

【国民健康保険に加入できる条件】

・健康保険の加入者(被扶養者含む)でないこと。
・後期高齢者医療保険の加入者(75歳以上)ではないこと。
・公務員等の共済組合に加入していないこと。
・船員保険に加入していないこと。

【手続きの流れ】

・自分で居住地の市町村窓口に行き、「国民健康保険」の加入手続きを行います。
 ※加入手続きは自分自身もしくは世帯主の方が行います。
※退職してから14日以内の手続きが必要となります。

・手続きが完了後、国民健康保険証が手元に届きます。

【留意点】

・退職したことがわかる証明書(健康保険資格喪失証明書、退職証明書、雇用保険被保険者離職者..etc)の提出が求められるので予め準備しておきましょう。
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード…etc)と印鑑、口座確認資料が必要になります。
・国民健康保険は世帯合算で保険料を納付する仕組みなので、家族内で健康保険や後期高齢者医療保険への加入者がいる場合はその人数分は除きましょう。
(※除かずに申請すると保険料が二重払いとなるので注意しましょう)

【メリット】

・通勤災害や業務災害も保険の対象となります
健康保険の場合は、通勤災害や業務災害について対象外(労災保険の対象)となっています。

・保険料免除制度がある
災害や所得が減少したとの理由で、国民健康保険料を納めるのが難しい場合は、保険料の免除や一部負担にすることができます。

国民健康保険の免除・減額の条件については各市町村によって異なりますが、減額および免除等は世帯全員の所得を合計したうえで決定され、7割、5割、2割のなかから減免率が選ばれます。

【デメリット】

・保険料が割高となるケースが多い
国民健康保険料は「所得割」や「均等割」といったように、世帯における各1人ずつの所得金額とその世帯人数によって、概ね保険料が決まります。
また市町村によって保険料が異なりますが、健康保険より割高となる傾向にあります。

・傷病手当金や出産手当金がない
国民健康保険とは健康保険と異なり、ケガや出産による休業補償がないので注意しましょう。

 

まとめ

退職後の加入手続きについては、保険料の負担で考えると家族の被扶養者として健康保険に加入するのが一番良い方法です。
しかし被扶養者となれなかった場合、任意継続被保険者として引き続き健康保険に加入するか、国民健康保険に加入するのかは、家族構成やその時の収入によって判断が異なります。
よって、保険料試算をシミュレーションしたうえで、そろぞれのメリット・デメリットを検討を踏まえたうえで、加入方法を決めていくと良いでしょう。

★その他退職手続きについてはこちら↓

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