新しい働き方を考えるための社会保障

これからの時代は、転職・独立・起業などの「新しく、自分らしい、自由な働き方」を選択できる時代となります。
新しい働き方を目指す人たち向けに、働き方による社会保障の違い(メリット・デメリット)を紹介していきます。

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Point①働き方による年金制度の違い

まず、年金制度の観点からいえば会社員が最も充実していると言えます。
その背景としては、日本が高度経済成長期に第二次産業を中心として発展してきた歴史があり、日本の企業においても人材確保のために、終身雇用制度・年功序列賃金・新卒一括採用という人事制度を用いてきたことや、国としても経済=企業の発展を支えるために、会社員に重点をおいた年金制度を整備してきたものと考えられます。

働き方による年金制度の違いについて、以下の表でまとめてみました。

 

具体的な違いを知っておこう!

では早速、具体例を挙げながら違いを見ていきましょう。
まず国民年金の制度を例に挙げると、国民年金の加入者は第1号被保険者(個人事業主・フリーランス)、第2号被保険者(会社員)、第3号被保険者(会社員の配偶者)に分かれます。
理屈のうえで考えるとすれば、国民皆年金である以上はどの被保険者も保険料を納付するのが当然と考えますが、実際は国民年金保険料については第2号被保険者(会社員)と第3号被保険者(会社員の配偶者)には納付義務はありません(第2号被保険者が厚生年金保険料というふうに形を変えて、配偶者分も含めて納付しているものと解釈されています)。
一方で、個人事業主やフリーランスの人やその配偶者については、第1号被保険者となり保険料を納付する義務が発生します。
つまり、夫婦世帯(片稼ぎモデル)を想定した場合、会社員の家庭は配偶者のうち1人分の保険料を納付するだけですが、個人事業主などの家庭においては、配偶者2名とも国民年金保険料を納付することとなります。なお、実質的には会社員の家庭においては、先述したとおり配偶者の一方が、厚生年金保険料を支払っており、それは被扶養者である配偶者分も含んでいるものと解釈されていますが、厚生年金保険料は労使折半であり、つまりは会社員が負担する保険料と同額の保険料を企業が負担していることになります。この厚生年金保険料は基礎年金拠出金として一部国民年金の財源に充てられていることから、企業が配偶者分の保険料を負担しているとも考えられます。よった企業側が保険料の半分を負担していることからしても、企業に雇用されるか否か(働き方)によって保険料負担に対する年金受給額(費用対効果)が大きく変わってきます。

⇒国民年金について知りたい方はこちらへ   

⇒厚生年金保険について知りたい方はこちらへ

会社員と個人事業主(フリーランス)の違い

同じ年齢、同じ居住地、同じ年収であることを前提とした場合、独身者と夫婦世帯(片稼ぎモデル)とでそれぞれ比較してみると、会社員の方が年金制度上有利なのがわかります。

 

独身者の場合

以下のケースの場合、会社員の方が個人事業よりも月2万円程負担が多く、40年間では約960万円の負担増となりますが、年金を20年間受給した場合、会社員の方が約2,100万円多く受給できます。

 

夫婦(片稼ぎモデル)の場合

以下のケースのように片稼ぎモデルの家庭の場合、会社員の家庭の方が個人事業の家庭より月5,000円程負担が多く、40年間では約240万円の負担増となりますが、年金を20年間受給した場合、会社員の方が約2,100万円多く受給できます。

 

よって、会社員と個人事業主とを比較した場合、年金制度においては会社員の方が優遇されることとなります。
個人事業主・フリーランスの方でも、後述する「資産設計の自由度」でリカバリーしていくことも可能です。

パートタイム・派遣労働者という働き方

次に、「パートタイム・派遣労働者」の働き方についてですが、以前は会社員(正社員)との間に、処遇差や社会保険の適用可否についても開きがありましたが、近年では厚生年金保険や健康保険のパートタイムにも適用拡大されたことや、今後は同一労働同一賃金の考え方に基づいて正社員とも処遇差が少なくなるとも言われており、その格差が徐々に緩和しつつあるものと言えます。一方で年金制度においては、厚生年金保険の適用を受けられるか否かで、その後の年金受給額が大きく変わってきます。
まずは独身者の方も夫婦世帯(片稼ぎモデル)の場合でも、自分自身が「厚生年金保険の適用を受けるか否か」を
確認してみると良いでしょう。
厚生年金保険の適用可否については、給与明細書で厚生年金保険料や差し引かれていたり、また雇用契約書等でも確認できますが、心配な方は下記のページを参照してみてください。

⇒厚生年金保険の適用可否について知りたい方はこちらへ

 

独身者の場合、夫婦(片稼ぎモデル)の場合

独身者または夫婦(片稼ぎモデル)の場合は、厚生年金保険の適用を受けるか否かでその扱いが変わります。
①パートタイム・派遣労働者で厚生年金保険の適用を受ける場合 ⇒ 会社員扱い
②パートタイム・派遣労働者で厚生年金保険の適用を受けない場合 ⇒ 個人事業主(フリーランス)扱い
と同様になりますので、上記の【会社員と個人事業主(フリーランス)の違い】をご参照ください。

以上、パートタイム・派遣労働者という働き方についても年金制度の違いを確認してきましたが、やはり厚生年金保険へ加入した方が、年金制度の恩恵を受けやすと言えるでしょう。ただし厚生年金保険に加入するためには一定の条件があり、それは労働時間という時間の概念も例外ではありません。ましてや正社員として雇用されれば、厚生年金保険へは加入できるものの、所定外労働時間(残業時間)という縛りが出てくるのも現実です。年金受給額は確かに少ないですが、逆に言えば厚生年金保険料を払う必要がなく、収入の一部を自由に資産設計することが可能です。年金制度の恩給を受けるのか、または自由な資産設計と時間設定を取るのか、そこを天秤にかけたうえで検討していく必要があります。詳細は後述する「働き方による資産設計の自由度と時間設定の自由度の違い」を参照しみてください。
なお、パートタイム・派遣労働者の方については、夫婦共稼ぎで家計の補助的な役割で働いている方も多いと思いますので、夫婦共稼ぎモデルについては下記ページを参照してみてください。

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