新しい働き方を考えるための社会保障

これからの時代は、転職・独立・起業などの「新しく、自分らしい、自由な働き方」を選択できる時代となります。
新しい働き方を目指す人たち向けに、働き方による社会保障の違い(メリット・デメリット)を紹介していきます。

  • HOME
  • 【働き方 × 社会保障】
シェアよろしくお願いします!

Ponit②働き方による医療保険制度の違い

まず、医療保険制度の観点からすれば、会社員が最も充実していると言えます。その背景としては、年金制度同様に日本の企業においても人材確保のために、終身雇用制度・年功序列賃金・新卒一括採用という人事制度を用いてきたことや、国としても経済=企業の発展を支えるために、会社員に重点をおいた医療保険制度を整備してきたものと考えられます。

働き方による医療保険制度の違いについて、以下のとおりまとめてみました。

 

具体的な違いを知っておこう!

では早速、具体例を挙げながら違いを見ていきましょう。

まず医療保険制度については、主に会社員やその被扶養者を対象とした「健康保険」、その他個人事業主やフリータンス等の自営業を対象とした「国民健康保険」、75歳すべての高齢者を対象とした「後期高齢者医療」などに分けられますが、今回は働き方による医療保険制度の違いを知ることが目的ですので、「健康保険」と「国民健康保険」にスポットを当ててみたいと思います。医療保険制度は国民皆保険と言われているように、誰もが何かしらの医療保険に加入することとなり、その分保険料を負担することとなりますが、家族や世帯をもった際には、働き方によって保険料負担が大きく変わってきます。また病気やケガ、出産時の休業に伴う所得補償にも大きな差がありますのでチェックしていきましょう。

⇒病気・ケガの時の所得補償(傷病手当金)について知りたい方はこちらへ

⇒出産時の所得補償(出産手当金)について知りたい方はこちらへ    

会社員と個人事業主(フリーランス)の違い

同じ年齢、同じ居住地、同じ年収であることを前提として、独身者と夫婦片稼ぎモデルとでそれぞれ比較していきましょう。

 

独身者の場合

以下のケースの場合、保険料は個人事業の方が会社員よりも月4,000円程、年間で約50,000円程負担が多くなりますが、保険料自体は地域によっても変わってくるため、保険料の負担についてはそれ程大きな差があるとまでは言い切れません。
ただし、病気やケガ、また出産時における仕事を休んだ際の所得補償について、傷病手当金と出産手当金(女性のみ)が支給される対象は、健康保険に加入できる会社員のみとなり、国民健康保険では支給されないことから、費用対効果は会社員の方が良いと言えます。


 

夫婦(片稼ぎモデル)の場合

以下のケースの場合、独身者と同様に保険料については個人事業の家庭の負担が多くなります。
※保険料自体は地域によっても変わってくるため、予め確認しておくと良いでしょう。

ただし、病気やケガ、また出産時における仕事を休んだ際の所得補償として、傷病手当金と出産手当金(女性のみ)が支給される対象は、会社員(健康保険)の家庭のみとなるため、個人事業主・フリーランスの家庭は注意が必要です。
※個人事業主・フリーランスの方の家庭は、病気やケガをした際の収入保障への代替策として、傷害保険や医療保険(民間)、就業不能保険(所得補償保険)などに個別に加入し、そのリカバリーをしていく必要があります。

パートタイム・派遣労働者という働き方

次に、会社員(正社員)と個人事業主・フリーランスの中間の位置付けとして「パートタイム・派遣労働者」の働き方についてですが、以前は正社員との処遇差や社会保険の適用可否にも開きがありましたが、近年は厚生年金保険と同様に、健康保険についてもパートタイムへ適用拡大されたことや、今後は同一労働同一賃金の考え方に基づいて正社員とも処遇差が少なくなると言われており、その格差が徐々に緩和しつつあるものと言えます。
まずは独身者の方も夫婦世帯(片稼ぎモデル)の場合でも、なお、自分自身が「厚生年金保険の適用を受けるか否か」を確認してみると良いでしょう。
健康保険の適用可否については、給与明細書で健康保険料や差し引かれていたり、また雇用契約書等でも確認できますが、心配な方は下記のページを参照してみてください。

⇒健康保険の適用可否について知りたい方はこちらへ

 

独身者の場合、夫婦(片稼ぎモデル)の場合

独身者または夫婦(片稼ぎモデル)の場合は、健康保険の適用を受けるか否かでその扱いが変わります。
①パートタイム・派遣労働者で健康保険の適用を受ける場合 ⇒ 会社員扱い
②パートタイム・派遣労働者で健康保険の適用を受けない場合 ⇒ 個人事業主(フリーランス)扱い
と同様になりますので、上記の【会社員と個人事業主(フリーランス)の違い】をご参照ください。

 

以上、パートタイム・派遣労働者という働き方から、医療保険制度の違いを検討してきましが、やはり健康保険へ加入した方が、傷病手当金や出産手当金などの所得補償が充実している分、医療保険制度の恩恵を受けやすと言えるでしょう。ただし健康保険に加入するためには一定の条件があり、それは労働時間という時間の概念も例外ではありません。ましてや正社員として雇用されれば、健康保険へは加入できるものの、所定外労働時間(残業時間)という縛りが出てくるのも現実です。また健康保険に加入していない個人事業主・フリーランスの方については、病気やケガをした際の収入保障への代替策として、傷害保険や医療保険(民間)、就業不能保険などに個別に加入することでリカバリーは可能です。医療保険制度の恩給を受けるのか、または自由な時間設定を取るのか、そこを天秤にかけたうえで検討していく必要があります。詳細は後述する「働き方における時間設定の自由度」を参照してみてください。
なお、パートタイム・派遣労働者の方については、夫婦共稼ぎで家計の補助的な役割で働いている方も多いと思いますので、夫婦共稼ぎモデルについては下記ページを参照してみてください。

次に進む⇒ポイント③働き方による収入の安定性の違い

前に戻る ⇒ ポイント①働き方による年金制度の違い