新しい働き方を考えるための社会保障

これからの時代は、転職・独立・起業などの「新しく、自分らしい、自由な働き方」を選択できる時代となります。
新しい働き方を目指す人たち向けに、働き方による社会保障の違い(メリット・デメリット)を紹介していきます。

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Point④働き方による時間設定の自由度の違い

ここでは、働き方における時間設定の自由度の違いについて検討していきます。なお、ここでいう時間設定の自由度については、「仕事やプライベートの両立、すなわちワークライフバランスを維持するために、自由に時間設定することができるか否か?」という観点から、働いている時間の長短ではなく『自らの裁量権で労働時間を設定ができるかどうか』で判断していきます。
つまりは、会社員(正社員)やパート・アルバイト、派遣社員等は、会社に雇用される立場であることから、労働契約や雇用契約また就業規則において、労働時間が設定されており、その間は会社の指揮命令下・管理下におかれることになります。また場合によっては36協定により時間外労働・休日労働が認められるとなれば、会社の業務命令権という名のもとに更に労働に費やす時間が必然的に多くなってきますので、自らの裁量権で時間設定を自由に行うことは困難となります。
一方、個人事業主やフリーランスにおいてはそもそも雇用される立場ではないため、労働時間という概念は在りません。もちろん収入を稼ぐために働く時間は必要ですし、顧客やクライアント対応も踏まえれば、100%自由に時間設定ができるわけでもありませんが、「〇〇時間働く」という決められた労働時間を会社とは約束していないため、自らの裁量権で働く時間さえも設定できることになります。簡単に言えば「決められた労働時間」=「拘束時間」に他ならないということになります。以下の表は厚生労働省の毎月勤労統計調査を抜粋したものです。

労働時間の実態について

項目
総実労働時間所定内労働時間
所定外労働時間出勤日数
就業形態計・産業計139.1時間128.5時間10.6時間18.0日
内)
パートタイム労働者
産業計
83.1時間80.6時間2.5時間14.4日

※総実労働時間数=所定内労働時間数+所定外労働時間数の合計
※所定内労働時間数
=労働協約、就業規則等で定められた正規の始業時刻と終業時刻の間の実労働時間数
※所定外労働時間数
=早出、残業、臨時の呼出、休日出勤等の実労働時間数
※出勤日数=出勤日数業務のため実際に出勤した日数。1時間でも就業すれば1出勤日とカウント
出典:厚生労働省の毎月勤労統計調査(2019年)

上記の表はすべての産業を平均したものですが、パート・アルバイト、派遣社員、会社員(正社員)等の雇用形態すべてを含んだ場合でも、総実労働時間÷出勤日数で1日あたりの労働時間は7.7時間であり約7時間40分程となります。
なお、労働基準法においては、1日8時間、週40時間という労働時間の規制がありますが、主に会社員(正社員)の方は、時間外労働いわゆる残業があることを前提としてでの働き方が多く、労働基準法においても36協定が締結されていれば月45時間、年間360時間までは時間外労働が可能となることや、また36協定特別条項付きともなれば、臨時的で特別な事情によるものも含めれば、年間で720時間の時間外労働が認められることとなります。
実態として通常の36協定による月45時間の時間外労働を採用しながらも、そのままだと年間45時間×12か月=540時間となり上限の360時間を超えてしまうので、36協定特別条項付きを併用したうえで、720時間を年間の時間外労働の上限として運営している会社が多いように思われます。

このようなケース想定した場合、出勤日数を18日と固定すれば、法定労働時間144時間(18日×8時間)+時間外労働45時間=189時間となり、これを出勤日数の18日で割ると、1日あたりの労働時間は約10.5時間(10時間30分)となります。

またこれには休憩時間や通勤時間が含まれていないことからすれば、休憩時間の1時間、また通勤時間として約1時間(首都圏内の通勤時間の平均)、また帰宅時間にも同じ1時間かかることからすれば、約13時間30分は就業のために費やされている時間と言えます。
(さらに睡眠時間7時間~8時間を加えると、1日のうちフリーな時間は約3時間しかないこととなります)
最近ではフレックスタイムの導入や在宅勤務(テレワーク)、勤務間インターバルの導入など労働時間への見直しが図らているところですが、会社員(正社員)として働く以上、年金制度や医療保険制度においては優遇される一方で、自身の生活が労働時間に縛らてしまうこと(労働時間=拘束時間)は不可避であるものと考えられます。
なお、この点について私自身は多様な正社員制度をもっと有効活用していくべきものと考えます。多様な正社員制度については下記の同一労働同一賃金の記事を参照しみてください。

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