起業・副業

起業するには資格が必要?起業にお勧めの資格7選

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働き方の多様化が進み、会社員の方でも副業を始めている人が増えており、その1つの手段として「起業」を選択する人も少なくありません。

なお、自分で起業する際は、何と言っても「どのような仕事をするか?」を考えるのが楽しくもあり、非常に悩ましいところもでありますが、「起業するからには絶対成功したい」「失敗したくない」と思う人は多く、

「起業する際に、何か資格を取っておいた方が良いのか?」
「どの資格なら仕事でも通用するの?」

と考える人も多いのではないでしょうか?

ただし、資格自体はかなり数が多く、国家資格だけでも280種類以上あり、民間が運営している認定資格を含めると1000種類を超えているとも言われていることから、どの資格がどれだけ仕事で通用するのかがわかりにくいのも事実です。

今回の記事では「起業に役立つ資格」について代表的なものを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事でわかること】
「起業するのに資格がすべてではありませんが、持っていると便利な資格があります!」

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資格の種類は大きく3つ

 

資格について運営する主体によって「国家資格」「公的資格」「民間資格」と大きく3つに分かれます。

①国家資格

国家資格とは国が認めた資格であり、その資格は法律によって定めれていることになります。また法律によって、一定の社会的地位が保証されることも特徴であり、資格の難易度は比較的高いものの、社会的な信頼性が高いといわれています。

《代表的な資格》

  • 医師、歯科医師、薬剤師、看護師
  • 弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、弁理士
  • 公認会計士、税理士
  • 保育士、教員
  • 調理師、栄養士
  • 建築士、不動産鑑定士、土地家屋調査士
  • ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)、キャリコンサルティング技能士
  • 精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士
  • 柔道整復師、あん魔マッサージ指圧師、はり・きゅう師
  • クレーン運転士、フォークリフト運転技能士、ボイラー技士、危険物取扱者
  • ITストラテジスト、ウェブデザイン技能士

など、資格そのものが仕事に直結するものが多いです。

②公的資格

公的資格は、国家資格とは異なり、公益法人や民間団体が運営する資格であり、文部科学省や経済産業省などの公官庁が認定した資格制度となります。簡単に言えば省庁からのお墨付きをもらった資格制度となります。

《代表的な資格》

  • 簿記検定、簿記能力検定
  • 秘書検定、日商マスター、ビジネス実務法務検定
  • 日本漢字能力検定、珠算検定
  • 色彩検定、カラーコーディネーター検定
  • 証券外務員(一種・二種)
  • メンタルヘルス・マネジメント検定
  • 消費生活アドバイザー
  • 手話通訳士、福祉住環境コーディネーター

など、自分のもっている能力を客観的に証明できるものが多いです。

③民間資格

民間資格とは、民間の団体や企業が試験を行い認定する資格を言い、特にルールや規定もないため、資格制度のうち「国家資格」「公的資格」以外の資格=民間資格ということになります。

《代表的な資格》

  • TOEIC、TOEFL、英語検定
  • 情報処理技能検定試験、C言語プログラミング能力検定、WEBデザイナー検定
  • ビジネス文書検定、銀行業務検定、ビジネス会計検定試験
  • 臨床心理士、福祉心理アドバイザー認定試験
  • 証券アナリスト、DCプランナー
  • インテリアコーディネーター、インテリアプランナー
  • DIYアドバイザー

など、社会的認知度が高いものから低いものまだ多岐にわたりますが、自分の持っている能力やスキルを試すための資格が多いです。

「独占業務資格」と「名称独占資格」

なお、国家資格については「人々の安心や安全のため」に法律で定められたものが多く、その資格を取得しないとそもそも仕事ができない「独占業務資格」と、その資格を取得することで特定の肩書きを名乗ることができる「名称独占資格」、また事業を行う際に特定の資格保持者を置かなければならない「必置資格」の3つに分かれます。(※なお資格によっては重複しているものもあります)

独占業務資格とは?

業務独占資格とは、資格を取得した人だけがその業務を行うことができる資格になります。逆に資格を有していない人が業務を行ってしまうと法律違反になります。

特に人々の生命や財産、生活に大きく影響を及ぼす業務が多く、高度な知識やスキルを必要とするため、試験の難易度が高めなことも特徴です。

《代表的な資格》

  • 弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士
  • 医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士
  • 建築士、宅地建物取引士(宅建)、不動産鑑定士
  • 気象予報士
  • 理容師、美容師
  • 柔道整復師、あん魔マッサージ師、はり・きゅう師

など。

名称独占資格とは?

名称独占資格とは、格を取得した人だけがその職業の肩書きを名乗ることができ、逆に資格を取得していない人はその肩書きを名乗ることができません。

独占業務資格とは異なり、資格自体がなくてもその業務を行えますが、国家資格保有者という肩書きがあることで、社会的信用度が高まります。

《代表的な資格》

  • 保育士
  • 作業療法士、理学療法士
  • 介護福祉士、社会福祉士、保健師
  • ファイナンシャル・プランニング技能士、キャリア・コンサルティング技能士
  • 中小企業診断士
  • マンション管理士

など。

必置資格とは?

必置資格とは、事業や業種によってその企業に特定の資格保持者を置かなければいけないと法律で定められている資格です。

事業規模や顧客数などによって設置人数が変動する場合もあれば、資格保有者を1人だけ設置すればいいケースもありますが、企業からのニーズが高い資格とも言えます。

《代表的な資格》

  • 宅地建物取引主任者(宅建)
  • 薬剤師、登録販売者
  • 旅行業務取扱管理者
  • 通関士
  • 衛生管理者、危険物取扱者
  • 食品衛生管理者

など。

資格がすべてはありません

よく起業する際に「何かしらの資格を取得してから」「資格がないと社会で通用しない」と考える人も多いですが、先述したとおり資格には様々な種類があり、正直に言えばピンからキリまであるので、起業する際の事業内容にもよりますが、実際に自分一人で起業する際には資格の有無はそれほど重要ではありません。

事業を行うのに必要な「独占業務資格」や「必置資格」は取得しなくてはいけませんし、社会的信用度の高い「名称独占業務」も必要最低限取得しておいた方が良いですが、認定団体によっては資格自体の知名度も低く、あまり意味のない資格なども存在します。

それでも資格を取得して名刺などに保有資格(肩書)を記載(アピール)することで、顧客の信頼を獲得するという考え方もありますが、実際には顧客に提供する商品やサービスで勝負して、顧客の信頼を獲得するのがほとんどです。

また資格によっては取得するのに、数万~数十万単位で講座費用を払ったり、会員登録費用を払う必要も出てくるため、起業するにはできる限り開業コストは抑えることも必要なため、「起業するために資格を取得する」というよりは「その資格が自分のしたいこと(起業)の延長線上にあるもなものか?」という視点で検討してみると良いでしょう。

起業にお勧めの資格

起業に有利な独占業務資格

先述したとおり「業務独占資格」とは、資格取得者でしかその業務を行うことができないため、言い方を変えると「その業務については資格取得者が独占的に行うことができる」ことになります。

わかりやすい例を挙げれば、弁護士資格については弁護士法により「弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」とされており、弁護士資格を持たない人が弁護士の業務に携わることができません。

なお、独占業務資格については、法律によってその業務が守られている分、高度な知識が必要となることもあり、取得するのが難しいと言われていますが、社会的信頼度は高く、資格取得者が少ない業務であれば競合することも少なくなるため、起業にとても有利といえます。

起業にお勧めの資格7選

また業務独占資格以外でも、名称独占資格であれば起業の有利になりますし、認定団体が行う民間資格でも認知度と社会的ニーズが高いものもあります。ここでは業務独占資格も含みますが、起業にお勧めの資格について紹介していきます。

①ファイナンシャル・プランナー(FP)

ファイナンシャルプランナーとは資金計画の専門家であり、人生設計のアドバイザーとして、顧客のライフデザインを叶えるために資金計画を立てたり、資産運用のアドバイスを行ったりする専門家です。

社会保険や年金制度の知識に留まることなく、税金対策や相続対策、また郵貯金や不動産投資などの資産運用に関する知識、また生命保険や損害保険などのリスクマネジメントまで、幅広い知識を習得することができます。

なお、ファイナンシャルプランナーの資格は、国家資格と民間資格の2種類あり、国家資格は「ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能士)」の3級から1級まで、民間資格はAFPとCFPの2つがあります。

国家資格である「ファイナンシャルプランニング技能検定(FP技能士)」は名称独占資格ので、もし「ファイナンシャル・プランナー」と名乗りたい場合は、こちらの国家資格を取得すると良いでしょう。

《FP技能士の資格情報》

資格種類 名称独占資格(国家資格)
運営団体 日本FP協会
試験内容 【1級】実技試験のも
【2級・3級】学科試験と実技試験
試験回数 【1級】 9月(年1回)
【2級・3級】 1月、5月、9月(年3回)
受験者数と合格率 【1級】受験者数:16,997人 合格率13.7%
【2級】受験者数:17613人  合格率62.6%
【3級】受験者数:22,999人 合格率76.7%
※2020年データを参考に作成
難易度(5段階) ★★☆☆☆(難易度2)

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②土地家屋調査士

土地家屋調査士とは、不動産登記の表示に関する専門家のことであり、他人の依頼を受けて、土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査・測量して、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う資格です。

一般的に土地や家を購入する場合は、その所有者(名義)を特定するため、不動産登記を必ずしなくてはならず、その登記に関する仕事となるため、社会的ニーズが高いのも特徴です。

また土地家屋調査士は国家資格となっており、法務省が実施する土地家屋調査士試験に合格したうえで、各都道府県内に設立された「土地家屋調査士会」へ入会し、日本土地家屋調査士会連合会に備える土地家屋調査士名簿に登録することで業務を行うことができます、

なお、受験資格は特になく、筆記試験と合格後の口述試験があります。

《土地家屋調査士の資格情報》

資格種類 独占業務資格(国家資格)
運営団体 日本土地家屋調査士会連合会
試験内容 筆記試験と口述試験
試験回数 【筆記試験】 10月(年1回)
【口述試験】 1(年1回)
※口述試験は筆記試験合格者のみ
受験者数と合格率 受験者数:4,198人 合格率9.7%
※2019年データを参考に作成
難易度(5段階) ★★★☆☆(難易度3)

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③中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家であり、企業をさまざまな角度から診断し、適切なアドバイスができる人を認定する資格で、最近では、日本版のMBA(経営学修士)とも言われています。

マネジメントスキルを身につけてキャリアアップしたい人たちの間で人気の資格でもあり、財務や税務のみならず、マーケティングや人事に至るまで網羅する経営のスペシャリストでもあるため、仕事として幅広い選択肢があります。

中小企業診断士の資格試験は1次試験と2次試験に分かれており、順番に合格しなければ取得することができないことから、最終的な合格率は3~8%と低いですが、逆に言えば競合性も低いため、資格を取得することができれば独立開業に向いている資格とも言えます。

《中小企業診断士の資格情報》

資格種類 名称独占資格(国家資格)
運営団体 中小企業診断協会
試験内容 【1次試験】筆記試験のみ
【2次試験】筆記試験と口述試験
試験回数 【1次試験】 8月(年1回)
【2級試験】 筆記試験10月、口述試験1月
※2次試験は1次試験合格者のみ
受験者数と合格率 【1次試験】受験者数:18,662人 合格率36.4%
【2次試験】受験者数:8,757人  合格率18.3%
※2021年データを参考に作成
難易度(5段階) ★★★★☆(難易度4)

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④宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産取引における専門家を指す国家資格であり、不動産関係の事業を行う場合は必須とも言える資格でもあり、まさに不動産に関する法規関連も網羅する不動産取引のスペシャリストです。

実際に不動産取引はとても高額となる一方で、顧客には不動産に関する専門知識や売買経験がほとんどないため、不当契約で顧客に損害が発生しないよう重要事項を説明するのも宅地建物取引士の仕事となります。

宅地建物取引士試験の合格率は15%台とやや難しい資格になりますが、不動産取引を行うには必要不可欠な資格とも言えます。

《宅地建物取引士の資格情報》

資格種類 必置資格(国家資格)
運営団体 一般財団法人 不動産適正取引推進機構
試験内容 【筆記試験】マークシート形式 50問
試験回数 【筆記試験】 10月または12月
受験者数と合格率 【筆記試験】受験者数:234,714人 合格率17.7%
※2021年データを参考に作成
難易度(5段階) ★★★☆☆(難易度3)

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⑤行政書士

行政書士とは、官公署に提出する書類、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の作成や提出手続きを行うことができる国家資格となります。また、これらの書類の作成は行政書士の独占業務であり、行政書士の資格なしでは作成することはできないのも特徴です。

例えば、事業を行う上で必要となる許認可申請として、飲食店の営業許可書、建設許可書、産業廃棄物処理業の許可書など、これらの許可書の作成および申請は、事業を行う本人もしくは行政書士が行うことができます。

資格の難易度としては宅地建物取引士と同等の15%代で取得に難しい資格になりますが、独占業務資格のため起業におすすめの資格の1つです。

《行政書士の資格情報》

資格種類 独占業務資格(国家資格)
運営団体 一般財団法人 行政書士試験研究センタ
試験内容 【筆記試験】60問
試験回数 【筆記試験】 11月(年1回)
受験者数と合格率 【筆記試験】受験者数:47,870人 合格率11.2%
※2021年データを参考に作成
難易度(5段階) ★★★★☆(難易度4)

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⑥税理士

税理士は国家資格であり、会社経営に欠かせない税務全般のプロフェッショナルの資格となります。

税理士の仕事内容としては主に「税務代理」「税務書類の作成」および「税務相談」の3つがあり、 各種納税の申告や申告に必要な決算書類の作成、また節税対策などの税務に関するアドバイスを行うことができます。

税理士試験を受けるためには、一定の受験資格が必要ですが、受験科目11種類ある中で5種類を選択し合格すればよく、科目合格制という珍しい試験であるのが特徴です。また1年ではなく複数年で5科目合格すれば良いのも特徴です。

税理士も取得に難しい資格ではありますが、仕事に直結することのできる資格として、起業にお勧めの資格の1つです。

《税理士の資格情報》

資格種類 独占業務資格(国家資格)
運営団体 国税庁
試験内容 【筆記試験】
・簿記論と財務諸表論の2科目
所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税のうち選択する3科目
※所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択
試験回数 【筆記試験】 8月(年1回)
受験者数と合格率 【筆記試験】受験者数:35,774人 合格率18.8%
※2021年データを参考に作成
難易度(5段階) ★★★★★(難易度5)

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⑦社会保険労務士

社会保険労務士は国家資格で、人事労務管理のスペシャリストの資格となります。

社会保険労務士の主な仕事は、企業の人事労務管理をサポートすることであり、労働条件の内容や就業規則の作成、社会保険への加入など、人事労務に関する諸問題について企業コンサルティングを行うことができます。

近年、働き方改革により労働関連諸法令が頻繁に改定されていることから、社会的ニーズが高い資格とも言えますが、社会保険労務士には受験資格があることもさることながら、合格率が5%前後と非常に難しい資格になります。

難しい分、合格することができれば参入障壁の高い資格とも言えるので、起業するにはお勧めの資格です。

資格種類 独占業務資格(国家資格)
運営団体 全国社会保険労務士会連合会
試験内容 【筆記試験】
・選択肢試験
択一式試験
試験回数 【筆記試験】 8月(年1回)
受験者数と合格率 【筆記試験】受験者数:34,845人 合格率6.4%
※2020年データを参考に作成
難易度(5段階) ★★★★☆(難易度4)

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自分が好きだと思える資格を取ろう

起業に向けてお勧めの資格をいくつか紹介してきましたが、まだまだ起業するにあたって便利な資格とおいうのも多数あります。

もし、皆さんが起業するにあたり、自分がやりたいことの延長線上に、資格があるかどうか知りたい場合は、資格の学校や予備校、通信講座等で色々と調べてみるのも良いでしょう。

資格によっては難関資格と言われ取得するのが難しい資格というのもありますが、その中で自分が好きだと思える資格があれば、ぜひチャレンジしてみてください。

 

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