時事問題

【2022年10月新設予定】男性版産休制度の最新状況を解説!

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【2022年10月新設予定】男性版産休制度の最新状況を解説!

子供の出生後8週間以内に、パパが最大4週間の「男性版産休」を取ることができる制度などを盛り込んだ改正育児・介護休業法が2021年6月3日に衆議院本会議で可決、成立しました。このまま問題がなければ2022年10月ごろに制度が始まる見通しとなります。

ただ一般に「男性版産休」と聞いて思うことは

「子供産まないのに産休?」
「育休ではなくて産休なの?」

と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?

今回は男性の産休制度がどのようなものなるのか、制度の最新状況について確認していきたいと思います。

【今回記事でわかること】
男性版産休制度の内容を知ることで
「男性でも積極的に育児に参加できます」
「夫婦で一緒に育児ができます」

男性の育休取得率は7.48%

厚生労働省より2019年度の男性の育児休業取得率は7・48%と公表されており、7年連続で増加しており過去最高値ではあるものの、女性の育児休業取得率が80%を超えていることからすれば、まだ男女間での育休取得格差が大きい状況となっています。

なお、日本に似た状況の国としてドイツが挙げられますが、ドイツも以前は男性の育児休業取得率が10%に満たない状況でしたが、両親手当の支給(日本でいう育児休業給付金に近い支給制度)により、今では約35%程の取得率となっています。

男性育休、昨年度の取得は7.48% 政府は新制度検討:朝日新聞デジタル

出典:朝日新聞DIGITAL

男性版産休制度が新設される理由

現行の育児介護休業法でも、男性は育児休業を取得することができます。特に「パパ休暇」や「パパママ育休制度」といった制度もあり、両親が共に子育てをすることで、男性の育児休業は2回に分割して取得できること、また育児休業期間が2か月延長されるなどのメリットがあり、日本の国としても男性の育児休業取得を推進しているのが現状です。

しかし、育児休業を取得するとなると、原則として休業開始の1ヵ月前までに会社への申出が必要となってきます。女性の場合だと出産準備のため、育児休業の前に産前産後休業を取得しているケースが多いですが、男性には産前産後休業は無いため、「奥さんの出産が予定よりも早まった場合、すぐに休暇を取得できない」といった問題が生じることがあり、男性の育休取得時期が概ね「子供の出生後8週以内」に集中していることを考慮すると、こうした問題は解消していく必要があります。

また男性の育児休業取得率が低い要因として、「会社の育児休業制度が整備されていなかった」「職場が取得しずらい雰囲気だった」ことが理由としてあることから、企業サイドからの働きかけも必要となってきます。

このように男性の育児休業取得に対する阻害要因をなるべく解消することを目的として、今回「男性版産休制度」が法案が成立したことになり、2022年10月(予定)より男性の産休制度がスタートすることとなります。

なお「男性版産休制度」はあくまでも呼称であり、実際は育児休業の範疇なります。厚生労働省の雇用環境・均等分科会でも「子供の出生直後の休業の取得を促進する枠組み」という位置づけでに留まり、また政府の閣議決定でも「育児介護休業法の改正案」であることから、法案成立後は名称が変わる可能性があります。

ただし「男性版産休制度」という言葉はインパクトがあり、今後男性も育児休業を取得しやすい環境づくりが必要となるため、広く周知されるようニュースや新聞などでも「男性版産休制度」というキーワードが用いられています。

★現行のパパ休暇・パパママ育休プラス制度を知りたい方はこちら↓

新設:男性版産休制度の概要

男性版産休制度は法案として成立しましたが、具体的な内容についてはまだ公表されていないため、ここでは厚生労働省から発表されている「令和3年改正法の概要」をもとに現時点で予定されている制度の概要を確認していきたいと思います。(2022年7月時点)

①対象期間・取得可能性日数

現行の育児介護休業制度における男性の育休取得状況や、女性の産後休業期間を踏まえ、「子供の出生後8週間」に年次有給休暇の年間最長付与日数(20日間)を参考にして「4週間」取得することができます
また男性の育休取得については分割取得を希望する声をも多く、「子供の出生後8週間」において、2回にわたり分割取得が可能となります。

なお、男性の方については、現行法においては「パパ休暇」というものがあり、子供の出生後8週間以内に育児休業を取得のうえ仕事に復帰すれば、その後改めて育児休業を再取得できることができるため、もともと2回にわたり分割取得できていました。

今回、男性版産休制度ができることによって、子供の出生後8週間以内に最大4週間を2回にわたって取得できることとなり、それとは別に子供が1歳になるまでに育児休業を2回にわたって分割取得できるようになります。

②会社への申出タイミング

原則として育児休業取得時には、会社への申出は休業開始の1ヶ月前までにする必要がありますが、これを原則「2週間前」までに短縮されることになりました。

③育児休業中の就労について

通常を育児休業を取得する場合は、恒常的・定期的な就労(予め予定されている就労)は禁止されていますが、現在では在宅勤務やテレワークが浸透したことから、労使協定が締結されている場合に限り、育児休業中でも一定の条件下で就労が可能となります。

例えば火曜日と木曜日の週2日、1日4時間といった予め予定された就労は「育児休業」とは言えないため原則禁止となっていますが、この条件が緩和されることで、法改正後は育児休業中でも柔軟に働ける環境になります。

ただし、育児休業中でも半ば強制的に就労させることができてしまうため、労使間での十分な話し合いが必要になることはもちろんのこと、1ヶ月あたり10日以上または80時間以上働いてしまうと、育児休業給付金の対象外となることにも注意が必要です。

④企業に義務付けられること

最近では大手企業を中心として、男性社員への育休取得を奨励している企業も徐々に増えていますが、男性の育児取得率が低い要因として「会社の育児休業制度が整備されていない」「職場が取得できる雰囲気ではない」といった企業側の環境要因が挙げられ、実際に「会社としての育休制度が整備されている」「上司の働きかけがある」いった場合、育休取得率が高いことが統計として明きらかになっています。

今後さらなる企業側の環境要因を改善していくために、企業に義務付けられるのは以下の3点となります。

【企業に義務付けられるもの】

  • 新制度及び現行の育児休業を取得しやすいよう、研修や相談窓口の設置等の職場環境の整備
  • 本人又は配偶者の妊娠・出産の申出をした労働者に対し、個別に周知し、取得意向の確認を行うこと
  • 育児休業の取得率又は育児休業及び育児目的休暇の取得率の公表(従業員1000人超の企業が対象)

企業側の環境要因としては、今後は周知するだけでなく、性別にかからわず男性社員に対しても取得勧奨、取得しやすい環境整備を行う必要が出てくる可能性があります。

最後に

実際に育児休業を取得するかどうかの判断は、子育てをする夫婦で十分に話し合い検討されるのが一番です。

ただし男性の育児休業取得率を踏まえると、必然的に女性に育児負担がかかってしまうのも現状です。

本来目指すべき姿とは、夫婦で検討した結果を踏まえて、男性女性に関わらず育児休業を取得できる環境作りであり、企業側のさらなる取組みと経営者側の意識改革は必要だと考えられます。

今までは男性の育休については軽視されがちな風潮もありましたが、今後は企業と社員とのエンゲージメントを高める施策としても注目を浴びることになりそうです。

 

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