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【社労士監修】残業時間の平均は何時間?知っておきたい残業時間の実態

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【社労士監修】残業時間の平均は何時間?知っておきたい残業時間の実態

昔は「残業をすることが仕事の美学」のような風潮もありましたが、今では「限られた時間の中で仕事をどうこなしていくか?」という仕事の効率化または労働の生産性というものが重要視されるようになりました。

ただ時代が変わっても、なかなか無くならないのが残業であり、残業している人の中には、

「早く帰りたいけど、今日も残業だ・・・」
「自分の残業って、人と比べて長いのかな?」

といったように、自分の残業時間が他の人たちと比べて長いのか短いのか、気になる方も多いと思います。また就職や転職する際にも業界によって残業時間の違いは気になるところでもあります。

この記事では、残業時間の平均時間をお知らせするとともに、業種よる動向や残業に関するトラブル等、現代の残業実態について解説していきたいと思います。

【この記事でわかること】
自分の残業が人と比べて長いのか短いのかわかります!
業種ごとに残業時間の違いがわかります!

残業時間の最新情報

まずは、社会の平均的な残業時間についてですが、厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査(令和2年分」のデータを参照すると、事業所規模が5人以上の企業における「所定外労働時間」は月間9.2時間となっています。

一方で、転職サイト「DODA」が15,000人を対象に行った調査では2020年4~6月の1カ月あたりの平均残業時間は20.6時間となっており、また口コミサイト「openwork」の働きがい研究所が行った調査によれば、2021年1~3月の平均残業時間は23.9時間となっています。

日本の平均残業時間

出典:OpenWork「働きがい研究所」

ちなみに厚生労働省と転職サイト等の調査でなぜこれだけの差が出るのかについては色々と要因がありますが、厚生労働省は全労働者を対象としているため、もともと残業のないパート・アルバイトも含まれていますが、転職サイトはどちらかという正社員や契約社員の方が利用するケースが多く、調査対象も残業ありきが前提となっている正社員や契約社員の回答が多くなることが原因と思われます。

よって、正社員や契約社員の方で、もともと雇用契約で残業があることを前提として働いている場合は、転職サイトや口コミサイトの調査内容(平均残業時間)を参考すると良いでしょう。

業種別にみる残業時間

先述した口コミサイト「OpenWork」が行った過去の調査からすると、業界別でみる平均残業時間については「コンサルティング業界」シンクが月間83.5時間ともっとも長いことが分かります。次いで「広告業界」が月間78.6時間、次に「建設業界」が70.8時間となっています。

逆に平均残業時間が一番短いのは「機械メーカー業界」の45.5時間であり、続いて「保険業界」45.7時間、「通信業界」の46.1時間と続くかたちとなります。

つまり、業界によって最大で約40時間程の差があることになり、勤める業界によって残業時間が大きく異なることは予め知っておいた方が良いかもしれません。

業界別残業時間(月間)ランキングTOP30

出典:OpenWork「働きがい研究所」

職種別にみる残業時間

一方で、職種別に見た場合の残業時間はどうなのでしょうか?

転職サイト「DODA」が行った調査によれば、残業時間の長い上位3職種は「教育スクール関連」で月間38.6時間、「施工管理」で月間36.9時間、人材サービス営業で月間30.8時間となっています。

一方で、残業時間の少ない職種は「営業事務アシスタント」の月間9.2時間、「医療事務アシスタント」の10.7時間、「MR」の11.8時間となっています。

出典:転職サイト「DODA」2020年

ただし、職種別で残業時間を見る場合は、その年によって急に業務が繁忙になったり、閑散になったりすることもありますし、また所属する会社の状況によっても大きく左右されてくるため、過去の残業時間ランキングを見ても職種によっては順位が大きく変動しているものあります。

また職種別については転職サイトや口コミサイトごとに職種の分類が違うことからも、職種別の残業実際については参考程度に留めておくのが良いのかもしれません。

世界と日本の労働時間

残業が当たり前と言われているように、日本人は勤勉で働き者というイメージを持たれている方も多いと思います。また「Karoshi(過労死)」という言葉が海外でも使われていることからすれば、日本の労働時間というのは海外と比べて劣悪ではないかと思われますが実は日本の労働時間は世界の各国と比較するとそれ程長くもなく、短くもないことがわかります。

2019年のデータとはなりますが、経済協力開発機構(OECD)が発表した加盟国38ヵ国の労働時間ランキングでは、日本は年間1,644時間で第22位と平均以下の数値となっています。なお、身近なところで言えば、アメリカは年間1,779時間で第10位と、意外と日本より労働時間が長いことがわかります。

また、良く日本と近いと言われているドイツですが、ドイツの労働時間は年間1,386時間で第35位と日本よりも労働時間は短いこともわかります。この1つの要因としてドイツでは「労働時間貯蓄制度」というのがあり、時間外労働や休日労働で余計に残業した時間を貯蓄し、それを有給休暇に充当できる制度があるため、労働時間に対する国民の意識が高い結果とも言えます。この労働時間貯蓄制度については、日本への導入も検討されているという話もありますが、まだ実現可能性は低いものと思われます。

ちなみに上位3国は以下のとおりとなります。

1位 メキシコ 2,148時間
2位 コスタリカ 2,121時間
3位 韓国 1,993時間
OECD平均   1,726時間

残業時間と36協定

良く「違法残業」という言葉が出てきますが、すべての残業が法律違反なのかというとそうではありません。

労働時間については労働基準法32条に定めるとおり、1日8時間、1週間40時間を超える労働時間は認められていませんが、例外的に時間外労働すなわち残業を法律的に認めるものとして、「36協定」があります。「36協定」とは会社と労働者が協定を結ぶことで、時間外労働や休日労働すなわち残業を行わせることを可能とする手続きとなりますが、36協定を結んでいれば無制限で残業をさせていい訳では無く、1カ月で45時間、1年間で360時間を超える残業は禁止されています。逆に言えば1ヶ月45時間超えず、1年間で360時間を超えなければ残業が認められるということになります。

それでもなお、突発的・臨時的な業務が重なり残業を延長せざるを得ない状況においては、「36協定の特別条項付き」によって、1年間のうち6ヵ月以内であれば、1ヶ月100時間の時間外労働と休日労働(休日出勤)、また1年間通じて720時間の時間外労働が認められることになります。だたし、この「36協定の特別条項付き」による時間外労働とは、突発的・臨時的な業務が発生した場合に限られるため、36協定においても明確にその理由を明記しておく必要があります。

ちなみに1カ月で45時間というと毎日約2時間の残業が発生していることとなりますが、毎日2時間以上の残業をしている人は、法定基準である45時間を超えて残業をしている可能性が高いと言えます。一方で1年間を通じて2時間以上残業している人については、先程述べたとおり「36協定の特別条項付き」による月平均60時間(720時間÷12月)の範囲内とはなりますが、決算業務やトラブル対応等の理由による残業であれば問題ないのですが、これが常態化しているとなるとブラック企業の可能性が高いと言えます。

もし月45時間を超える残業が常態化している場合は、次に説明する過労死ラインと繋がる話でもあり、36協定の内容を確認しておく必要があります。また36協定の内容に問題なかったとしても、労使間で十分に協議されていないものであれば体裁を整えただけのものとなっているので、36協定の際は十分に残業時間削減についての会社方針を確認しておく必要がありそうです。

残業時間と過労死ライン

先述したとおり「36協定」ならびに「36協定の特別条項付」により、1ヶ月で最大100時間、1年間で720時間(1月平均=60時間)の残業が法的にも認めらています。

しかし、法律上問題ないのは別として、仮に1ヶ月60時間=1日あたり約3時間の残業があった場合、少なくとも休憩1時間を含むと、「原則8時間+休憩1時間+残業3時間=合計12時間」の勤務時間となります。またこれに通勤時間で往復2時間、睡眠時間8時間を加えるとフリーな時間は2時間しかありません。またこの2時間も食事やお風呂、出勤準備等に費やすこととなれば、精神的に余裕のある生活とは言えません。

つまり、残業時間が長期化することで、精神的な余裕がなくなり、また睡眠時間を削ろうと思えな健康を害する可能性も高くなります。よく残業による「過労死」「過労による自殺」が問題されるのはこの観点からであり、労災保険においても過重労働や長時間残業に伴う「過労死」「過労による自殺」「過労による精神疾患等」については業務災害として認定される場合があり、特に残業時間については「1ヶ月100時間、過去の月平均が月80時間を超える残業をしていた場合が、健康障害を発症する可能性が高い」と考えており、この時間基準が「過労死ライン」と呼ばれています。

なお、この「過労死」や「過労死による自殺」「過労による精神疾患」について労働環境はもちろんのこと本人のストレス耐性も影響してくるため個人差が生じます。よって「過労死ライン」を超えていれば、すべて労災認定となるわけではなく、認定される可能性が高いという風に理解しておくと良いでしょう。

仮に「過労死ライン」については、損害賠償の問題にも発展することから企業も大分注意している点ではありますが、もし現実問題として「過労死ライン」を超えて働いている場合は。従業員に対する健康管理等、会社が安全衛生義務を怠っているもの判断される傾向にあるので、会社また働く個人にとっても気を付けておくべき点とも言えます。

残業時間と固定残業代

また残業時間と密接して、関係するのは「固定残業代」です。

本来、残業代とは残業時間に応じて計算され、従業員に支払われることとなりますが、先述したとおり「36協定」による残業時間が常態化していることから、給与計算等の業務を簡略化するために、残業があることを前提として、基本給に加えて「固定残業代」を支給する会社も少なくありません。

なお、会社が予め「固定残業代」を支払う場合については、基本給と区別してその金額を明確にしなくてはならず、またその残業代が「残業時間〇時間分」に相当するものとして明記しておく必要があります。

「固定残業代」の観点から言えば、その金額について基本給との区別がされていない場合は問題外ですが、仮に区別されていたとしても、その「固定残業代」が「残業時間〇時間分」に相当するものなのかを確認しておく必要があります。

業界や職種にもよりますが、冒頭で述べたとおり残業時間の平均が約20時間とすれば「月20時間の残業代として〇〇万円支払う」というのが一般的な基準となるのではないでしょうか?

もし月20時間を超える残業代を「固定残業代」として設定しているとなると、長時間残業が常態化している可能性もあるため、就職や転職時にはその点を気を付けておいた方が良いかもしれません。

最後に

さて、いかがでしたでしょうか?

残業自体は仕方ないと思う一方で、残業時間が長いとなると疲れや精神的ストレスが溜まってしまう方は多いと思いますし、疲れや精神的ストレスが多いと判断能力が鈍り、自分の置かれている環境を正しく認識できなくなると、医学的にも言われています。

残業時間が長くなる場合も同様であり、今回記事では残業時間というものを業種・職種別に確認した他、諸外国との比較、また残業時間が健康とお金にどう影響しているのかを簡単にまとめておきました。

ぜひ、今自分自身がおかれている残業実態を、客観的に見つめる機会としてご参考にしていただければ幸いです。

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