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~社労士監修~
退職手続きガイド【年金編】退職時の年金の切り替え方法について解説!
いざ退職を決めたとしても、退職する時の手続きというのは意外と分からないことが多く、退職後も手続きに追われたりするケースも少なくありません。特に退職後は、新しい会社に再就職したり、自ら起業したり、また家事や育児に専念したりと新しい人生を歩み始めるタイミングでもあります。
特に年金手続きについては、 将来もらえる年金に影響してくる大事な手続きである反面、あまり手続きについて知らないことも多いかと思います。今回は退職するときの年金手続き(年金の切り替え方法)について、パターン毎に詳しく解説していきたいと思いますので
【年金切り替え方法の3パターン】
- 厚生年金保険⇒厚生年金保険
例:会社員から会社員
- 厚生年金保険⇒国民年金第1号被保険者
例:会社員から自営業
- 厚生年金保険⇒国民年金第3号被保険者
例:会社員から専業主婦
厚生年金から厚生年金へ切り替える場合

退職前の会社でも退職後の会社でも、会社を経由してで書類手続きとなるため、基本は会社からの案内となるため、案内に従って手続きを進めていくことになります。
【手続きの流れ】
- 退職する会社から年金事務所へ厚生年金保険資格喪失届出が提出されます
- 会社に年金手帳が保管されている場合は、事前に返却してもらいましょう
- 再就職後、新しい会社から年金事務所へ厚生年金資格取得届出が提出されます(※新しい会社から年金手帳の提出を求められる場合があります)
【留意点】
- 新しい会社からマイナンバー(個人番号)を求められる場合があるため、事前に確認しておくと良いでしょう
- 健康保険の加入手続きも同時に行うので、配偶者が健康保険の被扶養者の場合は手続き漏れがないように気をつけましょう
【保険料負担はどうなるの?】
- 資格喪失日( 退職日の翌日)の前月分までが、 退職する会社の給与から控除されます。
例①:9月30日に退職した場合(資格喪失日10月1日)
⇒9月分までが控除
※10月分は新しい会社の給与(11月分)から控除されます
例②:9月29日に退職した場合(資格喪失日9月30日)
⇒8月分までが控除
※9月分は新しい会社の給与(10月分)から控除されます
【加入期間はどうなるの?】
- 1日の空白期間もないため、 退職前と退職後の厚生年金保険の加入期間は通算されます。
厚生年金から国民年金(第1号)へ切り替える場合

【手続きの流れ】
- 退職する会社から年金事務所へ厚生年金保険資格喪失届出が提出されます
- 会社に年金手帳が保管されている場合は、事前に返却してもらいましょう
- 自分で各市町村窓口で国民年金の加入手続きを行います
【留意点】
- 退職してから14日以内の手続きが必要となります
- 配偶者が健康保険の被扶養者(国民年金第3号被保険者)だった場合は、配偶者も国民年金第1号被保険者への切り替えが必要になります
(※国民年金保険料は2人分納付することとなります)- 加入手続きの際、年金手帳や本人確認書類などが必要になるため、各市町村窓口に連絡の上、必要書類を事前に確認しておくと良いでしょう
【保険料負担】
- 厚生年金保険料は資格喪失日(退職日の翌日)の前月分までが 退職する会社の給与から控除され、国民年金保険料は退職月の分から納付することとなります
(※国民年金保険料の支払期日は翌月末日まで)
例①9月30日に退職した場合(資格喪失日10月1日)
⇒厚生年金保険料は9月分まで負担し、10月以降は国民年金保険料を負担します。
例②9月29日に退職した場合(資格喪失日9月30日)
⇒厚生年金保険料は8月分まで負担し、9月以降は国民年金保険料を負担します。- 退職後、収入がない場合や収入が少ない場合は、保険料免除制度があるので、各市町村窓口へ相談すると良いでしょう
【加入期間】
- 厚生年金保険の加入期間は資格喪失日(退職日の翌日)の前月までとなり、その後は国民年金保険の加入期間となりますが、退職するタイミングによって異なりますので注意が必要です。
例①9月30日に退職した場合(資格喪失日10月1日)
⇒厚生年金保険の加入期間は9月まで(10月からは国民年金の加入期間)
例②9月29日に退職した場合(資格喪失日9月30日)
⇒厚生年金保険の加入期間は8月まで(9月からは国民年金の加入期間)
厚生年金から国民年金(第3号)へ切り替える場合

【手続きの流れ】
- 退職する会社から年金事務所へ厚生年金保険資格喪失届出が提出されます
- 配偶者(または親族)の会社経由で国民年金第3号被保険者関係届を提出します
※健康保険の被扶養者(異動)届出も同時に行います
【留意点】
- 健康保険の適用もあるため、退職してから速やかに手続きを行います
- 配偶者(または親族)の扶養に入るためには年収条件と同居条件が必要となるため、条件を満たさない場合は国民年金第1号被保険者として保険料を納付する義務が発生します★年収条件や同居条件について知りたい方はこちら↓
【保険料負担】
- 資格喪失日( 退職日の翌日)の前月分までが、 退職する会社の給与から控除されますがそれ以降の保険料負担は発生しません。
例①9月30日に退職した場合(資格喪失日10月1日)
⇒9月分までが控除(10月分からは保険料負担なし)
例②9月29日に退職した場合(資格喪失日9月30日)
⇒8月分までが控除(9月分からは保険料負担なし)
【加入期間】
- 厚生年金保険の加入期間は資格喪失日(退職日の翌日)の前月までとなり、その後は国民年金保険の加入期間となりますが、退職するタイミングによって異なりますので注意が必要です
例①9月30日に退職した場合(資格喪失日10月1日)
⇒厚生年金保険の加入期間は9月まで(10月からは国民年金の加入期間)
例②9月29日に退職した場合(資格喪失日9月30日)
⇒厚生年金保険の加入期間は8月まで(9月からは国民年金の加入期間)
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
少しテクニック的な話にもなりますが、手続き上一番スムーズなのは、すでに再就職も決まっており1日の空白期間(無職期間)もなく厚生年金保険に加入するパターンとなります。
一方で1日でも空白期間(無職期間)があると国民年金の手続きを自分自身ですることとなり、さらに第1号被保険者となる場合は保険料を納付する必要も出てくるので、事前準備が大切です。
また保険料負担を考慮すると、月の途中で退職すると1ヶ月分の厚生年金保険料を支払う必要が無くなる反面、加入期間も1ヶ月少なくなるため、その辺りも将来の年金額との関係で考えていく必要がありますので予め注意しておくと良いでしょう。
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