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週休3日制とは?~導入される背景とメリット・デメリット~
働き方改革が進み、在宅勤務・テレワークが当たり前となった今、より多様で柔軟な働き方を導入する企業が増えており、また働く個人においてもワーク・ライフ・バランスを大切にしている方も増えてきています。そのような中、最近のニュースで自民党から「選択的週休3日制」が政府に提案するされたことが話題となり、週休3日制も現実味を帯び始めてきたことから、今後の動向にも注目が集まっています。今回記事では、週休3日制について、メリット・デメリットも含めて解説していきたいと思います。
週休3日制とは?
労働基準法における法定休日は1週間に1日と規定されていますが、令和2年度「就労条件総合調査」によれば、週休2日制を導入している企業割合は82.5%(そのうち完全週休2日制は44.9%)であり、ほとんどの企業が、週休2日制または完全週休2日を導入していることがわかります。一方で「週休3日制」とは、文字どおり休日をもう1日増やすことで、1週間あたりの休日を3日にする制度、つまり週4日の勤務になること言います。
週休3日制とが注目されている背景
週休3日制が注目されている背景としては、まず企業側の視点で言えば、今後20年(2040年まで)で日本の労働人口は約1,200万人程減ることから「人材確保」の面で効果が期待できること、また課題である「従業員の生産性向上」が期待できることです。また働く個人の視点で言えば、柔軟な働き方や多様な働き方を選択できることで、ワークライフバランスの実現に繋がるため、仕事のプライベート(家事・育児等)の両立に期待ができることです。
週休3日制のメリット・デメリット
では実際に週休3日制を導入した場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか、いくつか確認してみたいと思います。
メリット①副業・兼業の促進
週休3日制が導入されれば、会社に勤務する日が1日少なくなるため、その日を副業・兼業にあてることができます。近年では副業を解禁する会社は増えており、自身の能力開発やキャリア形成のために副業・兼業する人の徐々に増えています。
企業にとっても従業員が副業・兼業で得たノウハウや知識を自社の業務にも活用できることから社内のイノベーションの促進にも繋がります。
メリット②優秀な人材の確保
週休3日制を導入することにより、従業員のワークライフバランスを実現することが可能となるため、仕事とプライベートの両立が可能な会社として、求人募集・採用活動において他社との優位性を図ることができ、人材不足の解消につながります。
また実際に働いている従業員においても、育児や介護との両立が可能性となり、従業員満足度も上がることからすれば、優秀な人材を確保することが可能となります。
デメリット①1日の労働時間が増加する
週休3日制を導入する場合は、1週間あたりの労働日数が1日減ることとなります。仮に週休2日制(週5日勤務)で1日の労働時間が8時間のケースを、週休3日制=週4日勤務に変更した場合、1日の労働時間を10時間にしなければ、1週間あたりの労働時間が減ることになり、従来どおりの業務量をこなすことができなくなります。当然企業側においては、業務量がこなせなくとなると業務に支障が出るため、必然的に1日の労働時間が増やすことになります。
デメリット②給与がカットされる
一方で週休2日制から週休3日制へ変更するの場合でも、1日の労働時間を変更しないまま、純粋に1週間あたりの労働時間を1日減らすことも可能です。ただし、この場合は労働条件が変更となるため、当然週休2日制の従業員と週休3日制の従業員とではこなせる業務量も異なってくることからすれば、必然的に給与がカットされることになります。
導入企業の事例
最後に、実際に週休3日制を導入している企業を5つ紹介します。週休3日制の導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
事例① 株式会社ファーストリテイリング
国内大手の衣料メーカー「ユニクロ」を運営する(株)ファーストリテイリングでは、1日10時間として土日を含む週4日勤務という方法で、週休3日制度を導入しています。1週間での労働時間は40時間と変わらないため、週休2日制のフルタイム勤務と給与体系は同じです。なお、1日10時間とする場合は労働基準法における1日8時間の上限を超えるため、変形労働制を導入する必要があります。
事例② 日本マイクロソフト株式会社
日本マイクロソフト(株)では、「従業員が自らのワークライフの事情に応じて、働き方をチョイスできるように」との考えから、週休3日制をトライアル導入しています。
事例③ ヤフー株式会社
ヤフー株式会社では、従業員の多様な働き方を支援すべく、育児、介護、看護など家族のサポートを必要とする従業員を対象に「えらべる勤務制度」を導入しています。この制度は従来の完全週休2日制に加え、1週間あたり1日の休日を設けられるという制度であり、月単位で週休3日にしたり、週休2日にしたりと選べるのが最大の特徴です。
事例④ みずほ銀行
みずほFG傘下のみずほ銀行では、週休3日制または週休4日制の導入を進めています。実際には育児と介護を理由に休日を取得したい従業員が、月単位で申請できる仕組みとなっています。なお基本給については、週休3日の場合は従来の80%程度、週休4日の場合は従来の60%程度の支給と言われています。
事例⑤ ヤマト運輸株式会社
ヤマト運輸株式会社では、従業員が年齢に伴うライフステージに合わせて勤務形態を選べる「労働日数・時間選択制度」を導入。人材不足の解消と、従業員のライフステージに応じた働き方の実現を目標に導入された制度です。育児や介護といった条件を満たした従業員に、勤務体系の選択肢が与えられ、従業員は週休3日、または週休4日から選ぶことが可能です。
週休3日制の目的を明確に
週休3日制を導入することによって得られるメリットとデメリットについては先述したとおりですが、導入する際にはその目的を明確にしておくことが重要です。例えば「優秀な人材を確保するために行うのか?」「副業・兼業というイノベーションを促進するために行うのか?」「人件費を削減するために行うのか?」、いずれの場合でも週休3日制の導入については給与削減という社会的なイメージもあり、否定的な意見も少なくありません。導入の目的については労使間で十分に話合いのうえ、検討していくのが良いでしょう。
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