日本政府は2023年3月17日に「こども・子育て政策」に関する主な政策を打ち出し、現在の出生時育児休業(産後パパ育休)中の育児休業給付金を「手取り10割相当」に引き上げする見通しとの見解が示されましたが、実際にどうのように変わってくるのか?中身について解説していきます。
①取得期間と取得日数
現行の産後パパ育休について「子供の出生後8週間」に「最大で4週間」取得することができます。
また男性の育休取得については分割取得を希望する声をも多く、「子供の出生後8週間」において、2回にわたり分割取得が可能です(ちなみに出生後8週間というには、出産の日から起算して8週間を経過した日の翌日までの期間となります)
②出生時育児休業給付金について
育児休業期間中に全く仕事をせずに収入がない場合、休業開始前の平均月収(半年間の平均月収)の67%が給付金として支給されます。(なお支給単位期間において、休業開始前の平均月収の80%以上を賃金として受け取っている場合は、出生時育児休業給付金は支払われません)
例えば直近6ヵ月の賃金が300万円だった場合、休業開始賃金日額は1万6,667円となりますので、
産後パパ育休で14日利用した場合は、1万6,667円×14日×67%=約15万6000円が、
出生時育児休業給付金として支給されることになります。
2025年度から支給率が80%へ
この出生時育児休業給付金が、政府の方針で2025年度から支給率を60%⇒80%へ引き上げられることとなりました。
先程の例のように、直近6ヵ月の賃金が300万円だった場合、休業開始賃金日額は1万6,667円となりますので、
産後パパ育休で14日利用した場合は、1万6,667円×14日×80%=約18万6000円が、
出生時育児休業給付金として支給されることになります。
なお育児休業期間中は社会保険料は免除されることとなることから、実質の手取りはほぼ100%に近い状態となり、収入が減ってしまうという心配はなくなるでしょう。
まだまだ低い男性の育休取得率
現在に日本における男性の育休取得率は過去最高の17%となっているが、過去日本と同様だったドイツはすでに40%を超えている状況であり、日本における男性の育児参加は積極的とは言い難い。
政府はこの点「25年度に50%、30年度に85%」までの取得を目指しておりハードルは高い。
厚生労働省の調査では、男性が育休を取らなかった理由は「収入を減らしたくなかった」が最も多いとのことだが、今回の手取り10割によって現状を打破できるのかその動向に注目です。
この記事へのコメントはありません。