就職・転職・退職

【多様な正社員制度への転換】総合職と一般職の違いがなくなる簡単な3つの理由

シェアよろしくお願いします!

【多様な正社員制度への転換】総合職と一般職の違いがなくなる簡単な3つの理由

昔、大手企業の総合職といえば、サラリーマンの花形とも言われ、また企業の管理職候補とも言われていていましたが、 時代は流れ、ワークライフバランスや女性活躍推進、男性の育児への積極的参加が注目を集めるようになり、時代を経て働き方に対する意識というのも大分変化してきました。

また在宅勤務やリモートワークなどのように働き方自体が変わってきており、 近年では企業側においても 社員が働きやすいよう「多様な正社員制度」を 活用する企業も増えてきています。

そして今、総合職として働いている方でも、こういった社会情勢や自分自身の意識の変化から、「総合職を辞めたい」「自分は自分らしく働きたい」と働き方を見直したいと思っている方が、男女問わず増えてきています。

しかし一方で総合職に対する古き良きイメージが残っていることからも、

「昔の総合職と今の総合職って何かイメージが違う気がする
「このまま総合職として働いて、良いものなのだろうか?」

と、悩まれる方も非常に多いのが現実です。

今回はそんな方の背中を押すべく、私自身の経験を踏まえたうえで言えば、ずばり「総合職制度はもはや時代遅れ」だと考えます。なぜ「総合職制度が時代遅れであり、働き方を見直すべきなのか?」その理由を詳しくこれから解説していきたいと思います。

【今回の記事でわかること】

「総合職制度が作られた時代背景がわかります!」
「総合職制度が衰退する理由がわかります!」

総合職に対するイメージは?

まず、皆さんの総合職に対するイメージはどのような感じでしょうか?正解不正解はありませんが大体このようなイメージではないでしょうか?

【総合職に対するイメージ(従来)】

  • 管理者候補・経営者候補(エリートコース)
  • 転勤(ジョブローテション)によるキャリア形成
  • 高収入のため妻が専業主婦が多い

・・・etc

これを事実に基づいて、現代風にアレンジすると以下のとおりとなります。

【総合職の実態(現代)】

  • 実際に管理者・経営者になるのはごく一部に過ぎず、管理者・経営者になれるという幻想のもとに働くこととなる。
  • 転勤によって様々な部署に配属されるのは、会社の人員配置や人員調整の観点から行われるものであり、キャリア形成は全く別の問題。
  • 会社中心の生活と長期労働時間による高収入であり、育児家事に費やす時間がなくなり、結局のところ妻が専業主婦とならざるを得ない。

・・・etc

以上の点については、後ほど詳しく解説していきますが、まず総合職制度が作られた背景から探ってみましょう!

総合職制度が作られた背景とは?

まず総合職制度というのは、男女雇用機会均等法において1986年頃から採用された社員区分制度となります。「総合職」というのは企業経営の基幹業務を担い、 将来は管理職候補として採用される社員区分制度となります。これと対をなすのが「一般職」と呼ばれる社員区分制度であり、こちらは総合職が行う基幹業務を補佐する補助的業務を担います。

男女雇用機会均等法が施行される前は、日本の雇用文化として、昔は一家の大黒柱(世帯主)である男性が収入を稼ぎ、女性である妻は家事育児を行い家庭を守るという「夫婦片稼ぎモデル」が一般的でした。収入を稼ぐ必要のある男性は企業経営の基幹業務を担うことで管理職候補への道を歩み、年功序列賃金制度のもとで高い収入を得ていくようになりますが、一方で会社中心の生活と長期労働時間によって、家庭に費やす時間が相対的に少なくなり、その分妻(女性)が家庭における中心的な存在となってに家事育児を担うこととなり、仮に働くとなっても家計を補助する意味合いが強かったために、 比較的男性よりも低い収入である補助的業務を担うのが一般的でした。

これが男女雇用機会均等法が施行されることにより、 企業人事における募集・採用・昇進・配置などにおいて男女差別をすることが禁止されたため、企業は社員区分制度を見直す必要性が出てきます。それで生まれたのが「総合職」「一般職」という社員区分制度であり、簡単に言えば、男女による社員区分を行わず、基幹業務を行う「総合職」、補助的業務を行う「一般職」と社員区分を分け、特に性別に関わらず各社員区分に応じた募集・採用を行うこととなりました。しかしこれは体裁を整えただけの形となり、実質的には当時「夫婦片稼ぎモデル」が時代背景としてあったため、「男性=基幹業務=総合職」「女性=補助的業務=一般職」というのが、今の時代になっても実態として強く残ることとなります。

総合職制度が衰退する理由①「夫婦共稼ぎ家庭の増加」

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構

前に述べた通り「総合職制度」というのは夫婦片稼ぎモデルが根本的背景として成立しています。しかし、上の図のように1995年を境にして、共稼ぎ世帯数が専業主婦世帯数よりも上回っており、特に2010年以降はその差が大きく開いています。これは女性活躍推進法に伴って、企業内における女性正社員の役割も高度化してきていたり、また男性正社員においては育児への積極的参加が見られるようになったりと、男女ともにワークライフバランスへの意識が高まってきたことが原因とも考えられ、今の時代は「夫婦共稼ぎモデル」というのがスタンダードとも言えます。

また当然のことながら、婦共稼ぎの方が家計収入も多くなり、また将来厚生年金の受給額も多くなることも明らかであり、夫婦共稼ぎモデルというのが最も合理的な働き方なのです。つまり総合職制度の時代背景としてあった夫婦片稼ぎモデルというのはすでに崩壊しているとも言えます。

総合職制度が衰退する理由②「転勤によるリスクの増加」

総合職においては、転勤によるジョブローテーションによって、社内でのキャリア形成が積めることから、管理職への昇進に近づけるという風に言われていますが、これは誤った認識です。

管理職の昇進について考慮される要素は、主に業績評価と能力評価が圧倒的に多く、また能力については複数の部門や仕事を経験していることなどがメインであり、転勤の有無や転勤の回数は重要視されていないのが実情です。 つまり転勤しなくとも社内でのキャリア形成は積めることが可能となり、そうすると社員に取ってみればそもそも転勤するメリットがなくなります。

また配偶者や子供を持つ社員からすれば、夫婦共稼ぎ家庭がスタンダードとなっている時代に転勤するということは、「配偶者に仕事を辞めてもらう」「子供に転校してもらう」などの問題が発生し、 逆に「配偶者に仕事を継続してもらう」「子供は転校させない」という場合は社員自身が単身赴任となり、家族と離れ離れの生活を送ることとなります。

ちなみに単身赴任の場合は会社から単身赴任手当や、 自宅への帰省費用などを支給する会社も多いですが、そもそも論として単身赴任の場合は別途生活費が余計にかかることとなるため、 転勤自体がそもそもリスクそのものでしかないことが分かります。ちなみに単身世帯の月あたりの生活費は16~17万であり、仮に単身赴任の場合は、会社からの手当等を考慮したとしても、月8~9万は余計な費用として増え、年間ベースで約100万円の余剰支出は避けられないでしょう。

★転勤族の実体験はこちら↓

総合職制度が衰退する理由③「管理職になれるのはごく一部」

よく総合職というのは、管理職候補・経営者候補のための社員区分制度(エリートコース)と言われていますが、その分企業の基幹業務を担うことになり、 会社中心の生活や長時間労働というのが当たり前でした。働く側にとってみても、「いずれは管理職や経営者に昇進できる」という思いもあり、仕事に精を出していくことになりますが、以下の図の通り、結局のところは出世レースに飲み込まれ、管理職や経営者になれるのは総合職のうち勝ち残ったごく一部の人であることは明らかです。

課長級以上を管理職以上として考えるのであれば、管理職や経営者になれたとしても概ねその時の年齢というのは40歳半ばから50歳前半となり、 また大体の企業においては役職定年というのがあり、管理職や経営者になるまでの期間は長いわりに、 管理職・経営者である期間は短命だということです。

確かに収入の部分で言えば、管理職や経営者になった場合の生涯賃金は、はるかに多くなりますが、 管理職経営者の方の場合については、その分単身赴任を経験しているケースも多く余分な支出があったり、概ね専業主婦家庭が多いことからすれば、その生涯賃金の差は「夫婦共稼ぎモデル」であればいくらでもリカバリーできますし、逆に配偶者含む家庭全体での生涯賃金が多くなるでしょう。

総合職制度に変わる「多様な正社員制度への転換」

さて今まで述べてきた3つのポイントによって、総合職制度は間違いなく衰退していくので、これからの時代のことを考えると総合職に対する古き良きイメージはここで捨てておいた方が良いでしょう。

特に近年では、企業においても総合職制度を廃止する企業が増えており、 転勤がない「地域型正社員」や、通常よりも労働時間が短い「短時間正社員」、また仕事内容をより明確にした「職務限定正社員」「ジョブ型正社員」 などを多様な正社員制度が作られています。またこのような多様な正社員制度は、会社に採用される時だけではなく、ワークライフバランスのもと採用後も社員区分転換ができる(例:育児による短時間正社員への転換、介護による地域限定正社員への転換など)というメリットもあり、もし調べたい方は、以下のサイトを参照してみてください。

また総合職になる方については、「責任をもてる仕事がしたい」「やりがいのある仕事がしたい」という風に考え、 なかなか総合職を辞められない方も多いかと思いますが、それは「総合職を辞める=一般職になる」という、昔ながらのイメージが残っているからだと思われます。

以下の図のとおり、総合職ではなくても正社員として会社の基幹業務を担うことは可能であり、企業においても経営の合理性の観点から、基幹業務を総合職に限らず正社員全体に与えていくこととなるため、頭の中のイメージを変えておくと良いでしょう。

 

最後に

さて、いかがでしたでしょうか?

私自身は15年以上も前に、就職活動で大手企業の総合職として採用され、その後10年以上は仕事中心の生活を送っており、また結婚し子供ができた後は単身赴任も経験しました。総合職を辞めると決断したのは、今まで説明してきた合理的な理由というのもありますが、最終的には「自分が幸せになるためには?」という軸が一本あったからだと思います。幸せの形とは人それぞれですが、「総合職として出世していく」のも1つの幸せといえますし、「仕事に精を出しながらも、家族と一緒にいること」「子供の成長をそばで見守っていく」というのも幸せと言えます。
最終判断は自分の心の中にあるので、もし辞める辞めないと悩んでいる方は、多様な正社員制度という色んな働き方の選択肢がある中で、自分の幸せについて今一度考えてみてはいかがでしょうか?

シェアよろしくお願いします!

【社労士監修】雇用保険の失業手当を受けると年金が停止されるので注意しよう!前のページ

【仕事をしながらの転職活動】有給休暇の取得理由はどうしてる?次のページ

ピックアップ記事

  1. 【初心者も安心】おすすめの副業サイト5選

関連記事

  1. 時事問題

    【社労士監修】高度プロフェッショナル制度とは何か?対象労働者やメリット・デメリットについて解説

    【社労士監修】高度プロフェッショナル制度とは何か?対象労働者やメリット…

  2. 時事問題

    【幼保無償化とは】子供の年齢は関係あるの?保育園でも幼稚園でも対象になるの?

    【幼保無償化とは】子供の年齢は関係あるの?保育園でも幼稚園でも対象…

  3. 時事問題

    【2022年10月スタート】男性版産休制度(出生時育児休業)について解説!

    【2022年10月スタート】男性版産休制度(出生時育児休業)について解…

  4. 時事問題

    【注目】働き方改革!在宅勤務の推進へ!テレワーク助成金について

    在宅勤務の推進へ!テレワーク助成金について厚生労働省が3月…

  5. 就職・転職・退職

    【社労士監修】同月得喪とは?入社後すぐに退職した場合の社会保険料

    【社労士監修】同月得喪とは?入社後すぐに退職した場合の社会保険料…

  6. 雇用制度

    ゼネラリストとスペシャリストのキャリア形成の違い、自分に合った働き方は?

    ゼネラリストとスペシャリストとの違い、自分に合ったキャリア形成…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Presented by

人気記事

ピックアップ記事

  1. 【初心者も安心】おすすめの副業サイト5選
  2. 不動産投資会社にオススメはない!ローンと物件と担当者で選ぶの…
  3. 【社労士監修】育休中に副業しても大丈夫?副業の方法と給付金へ…
  4. 【不動産投資でのデッドクロス】節税効果を狙った中古物件の購入…
  5. サラリーマン向け『不動産投資の減価償却費について』その計算方…
  6. サラリーマン向け『不動産投資による節税効果』について解説
  7. 【社労士監修】不動産投資は副業にあたらない4つの理由
  1. 労働時間・休暇・休日

    【社労士監修】育児休業期間はいつまで?延長出来るケースも徹底解説
  2. 労働時間・休暇・休日

    【社労士監修】2022年10月改正版「育児休業期間中の社会保険料免除はいつまで?…
  3. 労働時間・休暇・休日

    【社労士監修】育児休業給付金は手取り賃金の約90%~もらえる期間と計算方法につい…
  4. 労働時間・休暇・休日

    【パパ休暇】【パパママ育休プラス制度】 男性の育休期間はいつからいつまで?
  5. 労働時間・休暇・休日

    【パパ休暇】【パパ・ママ育休プラス】育児休業給付金の延長と上手な活用方法をわかり…
PAGE TOP