先日、政府が新型コロナウイルスの拡大を防ぐため、小中高校を休校にするよう要請をしてきました。
あくまでも要請であるため、最終的な判断は各都道府県や市町村に委ねられるものであり、地域によってはこの要請に従わないところもありますが、大半はこの要請に従って3月から小中高校を休校にさせる自治体が多いと思われます。
それに伴ってすでに問題となっているのが、 夫婦共働きの家庭において特に子供が小学校低学年の家庭においては、 本来子供が学校に行ってる時間帯に夫婦ともに会社へ勤務しているため、子供が休校になると夫婦のどちらか一方が会社を休まざるを得ない状況に追い込まれています。
もはや令和の時代になって、今後は夫婦共稼ぎの家庭が多くなる中、子供を持つ家庭がこのような政府の要請によって不利な状況に追い込まれることは、時代錯誤もいいところであり、 極論を言えば「 子供を持たない方が自由が利く」というインセンティブを植え付けることになり、超少子高齢化社会を加速させるものと考えられます。
さて本題に戻りますが、新型コロナウイルスによって仕事を休むケースというのは様々が考えられますが、主に代表的なものを挙げていきたいと思います。
①働く人本人が新型コロナウイルスにかかり仕事を休んだ場合
厚生労働省の発表にもあるように今回コロナウイルスにかかった場合については、健康保険の適用となる見込みであり、健康保険の適用となれば傷病手当金(連続して休んだ4日目から、給与の約6割)が支給されることとなります。
最初の3日間だけは支給対象外なので、その間は年次有給休暇を使用するなどして適宜休業補償に備えていくことが必要です。
傷病手当金について知りたい方は⇒こちらへ
② 新型コロナウイルス拡大防止に伴い、会社が一律に労働者を休ませた場合
厚生労働省HPでは、新型コロナウイルスに関するQ&Aを設けており、新型コロナウィルスの感染防止のために、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、会社にとっても不可抗力であることから「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられており、休業手当の支給対象外となります。
ここでいう不可抗力とは、①その原因が事業の外部より発生した事故であること、②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの2つの要件を満たすものでなければならないと解されており、自宅勤務(テレワーク)や時間差出勤等の方法によって労働者を業務に従事させることを十分に検討して、休業を回避すべく最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合があり、休業手当の支払対象となる場合があります。
今テレワークや時間差出勤をを推奨している会社が増えているのは、こういった観点からかもしれません。
※休業手当の支給対象となる可能性が高い場合、会社から年次有給休暇を使ってほしいとの要望があるケースもあり、その場合は強制ではないため自身の判断で取得するか否か決めていきましょう。(休業手当は通常の賃金の60%、年次有給休暇であれば100%がもらえます)
③新型コロナウィルス対策によって子供が休校となったため、面倒を見なくてはいけなくなり会社を休んだ場合。
主にこのケースが想定されるのは、小学生(低学年から中学年)の子供を持つ家庭ですが、
この場合は本人がコロナウィルスに感染しているわけではないため、健康保険による傷病手当金は支給対象外、また会社にとっても不可抗力であるため休業手当の支給対象外でもあるため、現状では休業補償は受けられないため、個別に対策を取っていく必要があります。
対策については以下のとおりです。
第一に「年次有給休暇を消化していくこと」です。これはご承知のとおりと欠勤しても有給のため収入への影響が気にしなくて済みますが、取得日数は限らているのでその点は留意が必要となります。
第二に「会社独自の休暇制度を利用して行くこと」です。 これは勤務先の就業規則に定められており、特別休暇やフレッシュアップ休暇、 クリエイティブ休暇など名前は様々ですが、その中でも有給扱いになるものを優先的に利用していくと収入への影響を気にしなくて済みます。なおこの場合は休暇の取得目的が限定されているもあることから、今回子供の休校に伴って取得できるかは労使間で協議が必要かと思われますが、 不測の事態なので会社が認容してくれるケースもあり、協議する価値はあるものと思います。
第三に「子の看護休暇の利用していくこと」です。今回保育園・幼稚園等については 政府から休園の要請はなかったもの、今後各自治体が自主判断で休園要請をしてくる可能性もあるため参考情報となります。
子の看護休暇というのは育児介護休業法に基づき取得できる休暇であり、小学生未満の子供の予防接種や健康診断を受けて受けさせる際に、年間5日を限度として休暇が取得できる仕組みです。有給か無給かは勤務先の就業規則によって異なりますが、有給扱いとしている会社もありますし、通常子の看護休暇は子供の予防接種は健康診断という疾病の予防を目的としていますが、会社によっては特に取得目的を限定していなかったり、また小学生以上の子供の場合でも取得できる会社もありますので、勤務先の就業規則を確認すると良いでしょう。
今後、政府からの要請を受けて各自治体にも新たな動きも出てくるかもしれませんし、 また今回のような新型コロナウイルスによる仕事の休業についても、何らかの対策が講じられてくる可能性もあるかと思いますが、まずは政府主導ではなく自分主導で対策を講じていき身を守っていきましょう!
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