先日、政府が新型コロナウイルスの拡大を防ぐため、小中高校を休校にするよう要請をしてきました。
あくまでも要請であるため、最終的な判断は各都道府県や市町村に委ねられているものの、概ね休校とする自治体が多い中で、問題となったのが 小学校低学年の夫婦共稼ぎ家庭における「会社を休んだ時の休業補償」です。
前回記事では、小中高の学校の休校に伴う保護者の休業補償に対して、どのような助成金内容になるのか、その予想と結果についてお伝えしてきましたが、また政府より、その助成金を「幼稚園・保育園に通う子供の保護者である労働者」にも拡大していくことが決まりました。
概ね助成金の内容については、変わることはないのですが簡単に言うと
①企業に対する助成金です。
②企業が年次有給休暇とは別に有給特別休暇を労働者に与えること
③対象は小学校に通学する子供も保護者が対象⇒幼稚園・保育園にも拡大
④企業が対象となる保護者(労働者)に対して払った賃金(上限8,330円)
を助成金として支給する
※上限設定は雇用保険の賃金日額の上限を合わせた可能性あり
今回はここで記載を終えようと思ったのですが、もう1つ気になるニュースがあり、それは今回の助成金を個人事業主やフリーランスの人にも適用拡大していくというものです。詳細はこちら⇒(出典:朝日新聞)
その内容はまだ明らかになっていませんが、政府は学校の臨時休校に伴い仕事を休んだ保護者の収入減に対応する新たな助成金制度について、フリーランスや自営業者にも措置を講じる考えを示し、「経営相談窓口の設置や緊急貸し付け・保証枠として5千億円の確保の措置を講じる」と表明しました。
あくまでも休業補償ではなく貸付という点が気になるところであり、簡単に言えば、個人事業主・フリーランスの人はあくまでも補償ではなく借金をすることが前提いうことからすれば、まだ日本という国は働き方改革を実現させるには程遠く、滅私公奉を美徳する旧来型の労働から抜け出せない状況にあるとも言えます。
ただ事実として、会社に雇用される労働者は、労働時間・休暇・賃金について管理されるというデメリットがある一方で、会社という第三者によってそれが証明されるというメリットがあるのに対して、個人事業主・フリーランスの人については労働時間・休暇・収入(具体的には賃金ではないので言葉を変えています)について管理されない(自由)というメリットがある一方、第三者による証明が困難というデメリットがある点が、大きな違いとなります。
正直、個人事業主の方の中(全員ではなくごく一部)には、確定申告書を見る限り、節税を目的とした謎な経費算入が記載されているのも散見されおり、実際にそれが税務署で認められているのであれば仕方のない話ではありますが、良くも悪くも個人事業主・フリーランスの人は労働時間は自由に設定できますし、収入も個人の努力次第で何とでも稼げるのです。
その点会社員は、勝手に税金は引かれていきますし、就業規則による労働時間の縛りと、努力によっても収入がそれ程上がらないという不満は概ねにしてあります。
今回の助成金に限らず、雇用保険についても会社に雇用される労働者のみが対象となっていることからして、まだ働き方による社会保障の差というものが存在する限りは、自由な働き方の実現にはまだまだ時間がかかるものと思われます。
今回助成金については、対象者を誰にするのか賛否両論ありましたが、不満を言うだけでは何も生まれないのは確固たる事実でもあります。
個人事業主・フリーランスの方が会社員と同様の社会保障を受けるためには、やはり第三者による証明を得ることが手っ取り早い方法であり、そのことを踏まえれば、個人事業主やフリーランス同士が結束して、場合には国や自治体とも結束して、団体として労働時間や収入を証明できるような第三者機関を設立するというような方法を模索していく必要があるのではないでしょうか?(なければ作ってしまえ!)
管理はされるけど働き方は自由!そんな未来もあってはいいのではないでしょうか?
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