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【2022年10月スタート】男性版産休制度(出生時育児休業)について解説!

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【2022年10月スタート】男性版産休制度(出生時育児休業)について解説!

子供の出生後8週間以内に、パパが最大4週間の「男性版産休」を取ることができる制度などを盛り込んだ改正育児・介護休業法が2021年6月3日に衆議院本会議で可決、成立しました。

これにより、男性版産休が2022年10月に施行されることなりましたが、

「子供産まないのに産休?」
「男性でも育休が取りやすくなるの?」

と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?

今回は男性の産休制度がどのようなものなるのか、制度の最新状況について確認していきたいと思います。

【今回記事でわかること】
男性版産休制度の内容を知ることで
「男性でも積極的に育児に参加できます」
「夫婦で一緒に育児ができます」
※社会保険労務士解説付き

男性の育休取得率は12.65%

厚生労働省より2020年度の男性の育児休業取得率は12.65%と公表されており、7年連続で増加しており過去最高値ではあるものの、女性の育児休業取得率が80%を超えていることからすれば、まだ男女間での育休取得格差が大きい状況となっています。

なお、日本に似た状況の国としてドイツが挙げられますが、ドイツも以前は男性の育児休業取得率が10%に満たない状況でしたが、両親手当の支給(日本でいう育児休業給付金に近い支給制度)により、今では約35%程の取得率となっています。

出典:HUFFPOST

男性版産休制度が新設される理由

現行の育児介護休業法でも、男性は育児休業を取得することができます。特に「パパ休暇」や「パパママ育休制度」といった制度もあり、両親が共に子育てをすることで、男性の育児休業は2回に分割して取得できること、また育児休業期間が2か月延長されるなどのメリットがあり、日本の国としても男性の育児休業取得を推進しているのが現状です。

しかし、育児休業を取得するとなると、原則として休業開始の1ヵ月前までに会社への申出が必要となってきます。女性の場合だと出産準備のため、育児休業の前に産前産後休業を取得しているケースが多いですが、男性には産前産後休業が無いことから「奥さんの出産が予定よりも早まった場合、すぐに休暇を取得できない」といった問題が生じることがあり、男性の育休取得時期が概ね「子供の出生後8週以内」に集中していることを考慮すると、こうした問題は解消していく必要があります。

また男性の育児休業取得率が低い要因として、「会社の育児休業制度が整備されていなかった」「職場が取得しずらい雰囲気だった」ことが理由としてあることから、企業サイドからの働きかけも必要となってきます。

このように男性の育児休業取得に対する阻害要因をなるべく解消することを目的として、今回「男性版産休制度」が法案が成立したことになり、2022年10月(確定)より男性の産休制度がスタートすることとなります。

なお、「男性版産休制度」はあくまでも呼称で、実際の名称は「出生時育児休業」であり、育児介護休業法の範囲=育児休業給付金の対象となります。

ただし「男性版産休制度」という言葉はインパクトがあり、今後男性も育児休業を取得しやすい環境づくりが必要となるため、広く周知されるようニュースや新聞などでも「男性版産休制度」というキーワードが用いられています。

★現行のパパ休暇・パパママ育休プラス制度を知りたい方はこちら↓

男性版産休制度(出生時育児休業)の概要

男性版産休制度の具体的な内容については直近で厚生労働省より発表されているリーフレット「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」をもとに制度の概要を確認していきたいと思います。(2021年11月時点)

①対象期間・取得可能性日数

現行の育児介護休業制度における男性の育休取得状況や、女性の産後休業期間を踏まえ、「子供の出生後8週間」に「最大で4週間」取得することができます
また男性の育休取得については分割取得を希望する声をも多く、「子供の出生後8週間」において、2回にわたり分割取得が可能となります。ちなみに出生後8週間というには、出産の日から起算して8週間を経過した日の翌日までの期間となります。

なお、男性の方については、現行法においては「パパ休暇」というものがあり、子供の出生後8週間以内に育児休業を取得のうえ仕事に復帰すれば、その後改めて育児休業を再取得できることができるため、もともと2回にわたり分割取得できていました。

今回、男性版産休制度ができることによって、子供の出生後8週間以内に最大4週間(2回まで分割可能)の休暇が取得できることとなり、それとは別に子供が1歳になるまでに育児休業を2回にわたって分割取得できるようになります。(ママも同様に分割取得できます)

 

また、男性版産休(出生時育児休業)は必ず取得しなければならないものではなく、最初から通常の育児休業を取得することも可能です。

つまり、出生時育児休業を取得する場合は、出産後8週間は最大4週間(2回まで分割可能)まで、その後は子供が1歳になるまで育児休業を取得(2回まで分割可能)することができます。

一方で最初から通常の育児休業を取得する場合は、出産後8週間のうち最大4週間という日数制限はなく、出産直後から子供が1歳になるまで育児休業を取得(2回まで分割可能)することができます。

②会社への申出タイミング

原則として育児休業取得時には、会社への申出は休業開始の1ヶ月前までにする必要がありますが、これを原則「2週間前」までに短縮されることになりました。

なお、育児休業や今回の男性版産休制度に関して、積極的な取り組みを行っている企業に対しては、労使協定で定めるところにより、申出を「1ヶ月前」のままとすることも可能です。

③育児休業中の就労について

通常を育児休業を取得する場合は、恒常的・定期的な就労(予め予定されている就労)は禁止されていますが、現在では在宅勤務やテレワークが浸透したことから、労使協定が締結されている場合に限り、育児休業中でも一定の条件下で就労が可能となります。

この点について、男性版産休制度(出生時育児休業)に限定して言えば、就業可能日や就業可能時間に上限があり、

  • 休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
  • 休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満

となります。

つまり、所定労働時間が1日8時間、1週間の所定労働日数が5日の場合、育児休業を2週間(休業期間中の所定労働日10日・休業期間中の所定労働時間80時間)取得したとなれば、育児休業期間中(2週間)の就業日数びの上限5日、就業時間の上限40時間となります。また育児休業開始日と終了予定日の就業時間については8時間未満とする必要があります。

ただし、育児休業中でも半ば強制的に就労させることができてしまうため、労使間での十分な話し合いが必要になることから、あくまでも労働者の合意の範囲内で行うことが必要です。

また、1ヶ月あたり10日以上(10日を超える場合は80時間以上)働いてしまうと、育児休業給付金の対象外となることにも注意が必要です。

④企業に義務付けられること

最近では大手企業を中心として、男性社員への育休取得を奨励している企業も徐々に増えていますが、男性の育児取得率が低い要因として「会社の育児休業制度が整備されていない」「職場が取得できる雰囲気ではない」といった企業側の環境要因が挙げられ、実際に「会社としての育休制度が整備されている」「上司の働きかけがある」いった場合、育休取得率が高いことが統計として明きらかになっています。

今後さらなる企業側の環境要因を改善していくために、企業に義務付けられるのは以下の3点となります。

【企業に義務付けられるもの】

  • 新制度及び現行の育児休業を取得しやすいよう、研修や相談窓口の設置等の職場環境の整備
  • 本人又は配偶者の妊娠・出産の申出をした労働者に対し、個別に周知し、取得意向の確認を行うこと
  • 育児休業の取得率又は育児休業及び育児目的休暇の取得率の公表(従業員1000人超の企業が対象)

企業側の環境要因としては、今後は周知するだけでなく、性別にかからわず男性社員に対しても取得勧奨、取得しやすい環境整備を行う必要が出てくる可能性があります。

★企業向け対応ガイドはこちら↓(運営者:社会保険労務士事務所WILLGATE作成)

今後は育休中のキャリアアップへが注目

実際に育児休業を取得するかどうかの判断は、子育てをする夫婦で十分に話し合い検討されるのが一番ですが、男性の育児休業取得率を踏まえると、必然的に女性に育児負担がかかってしまっているのが現状です。

本来目指すべき姿とは、夫婦で検討した結果を踏まえて、男性女性に関わらず育児休業を取得できる環境作りであり、企業側のさらなる取組みと経営者側の意識改革は必要だと考えられます。今までは男性の育休については軽視されがちな風潮もありましたが、今後は企業と社員とのエンゲージメントを高める施策としても注目を浴びることになりそうです。

一方で育休中は仕事から離れていしまうため、育休後の自分のキャリアを心配する声もすくなくありません。

副業解禁が当たり前となった今、徐々にではありますが育休中に副業することで、キャリアを途絶させないよう工夫している夫婦が多くなり、今後は育休中の副業についても注目が集まりそうです。

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コメント

    • LUCKY SPREAD
    • 2022年 6月 15日 12:59pm

    失礼いたします。産後パパ育休について調べている中でこちらも拝見しました。
    1つ教えていただきたいのですが、
    「男性版産休制度ができることによって、子供の出生後8週間以内に最大4週間(2回まで分割可能)の休暇が取得できる」んですよね。

    このページの例で「出産日である10/1~産後パパ育休を取る」のであれば、取得可能な「8週間以内」は「11/25まで」ではないかと思うのですがいかがでしょうか?
    10/1~7が1週、~14が2週、~21が3週・・・・・・~11/25が7週。 だと思うのです。
    社員の申し出に関する大事な部分なので、教えていただきたいです。
    よろしくお願い致します。

    • LUCKY SPREAD
    • 2022年 6月 15日 1:02pm

    失礼いたします。産後パパ育休について調べている中でこちらも拝見しました。
    1つ教えていただきたいのですが、
    「男性版産休制度ができることによって、子供の出生後8週間以内に最大4週間(2回まで分割可能)の休暇が取得できる」んですよね。

    このページの例で「出産日である10/1~産後パパ育休を取る」のであれば、取得可能な「8週間以内」は「11/25まで」ではないかと思うのですがいかがでしょうか?
    10/1~7が1週、~14が2週、~21が3週・・・・・・~11/25が8週。 だと思うのです。
    社員の申し出に関する大事な部分なので、教えていただきたいです。
    よろしくお願い致します。

    • とても良いご質問をいただき有難うございます。

      厚労省のパンフレットやリーフレットだと、わかりやすく「出生後8週間」と記載されており、当サイトでもそのまま引用していたものですが、

      法律の条文では、
      「出生の日から起算して8週間を経過した日の翌日」までと明記されており、10/1を出産日とした場合、8週間後は11/25となり、その翌日は11/26となりますので、11/26までが取得可能期間となります。

      ※なぜ翌日までなのか?
      男性の産後パパ育休というのが、配偶者(妻)の産後休業期間とマッチしており、配偶者の産後休業期間は出産日の翌日から8週間なので10/2からスタートし、11/26で終わります(出産日10/1は産「前」休業期間に含まれます)
      そのため産後パパ育休が純粋に出産日から8週間だと最後の1日が配偶者と合わなくなるためプラス1日として翌日と明記されたものと思われます。

      出生後8週間というのが、出産日を含めての8週間なのか?含めない8週間なのか?がわかりづらいというご意見かと思いますので、記事にて補記しておきます。

      貴重なご意見有難うございます。

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