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児童手当「特例給付」はなぜ廃止されるのか?国の本当の目的は【働き方改革の促進】

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児童手当「特例給付」はなぜ廃止されるのか?国の本当の目的は【働き方改革の促進】

報道機関によれば、2020年2月2日に政府は一部の高所得世帯の児童手当を廃止する児童手当関連法改正案を閣議決定したとのことで発表がありました。2022年(令和4年)10月支給分から支給対象を限定し、基本世帯主の年収が1200万円以上の場合は児童手当の支給をやめるという内容であり、今国会に提出し成立を目指す方針とのことです。

なお、現在支給されている児童手当というのは、子ども1人あたり月1万~1万5千円を支給するといった内容であり、一定以上の所得がある世帯にについて支給対象外と定めているものの、高所得者向けには「特例給付」として児童1人あたり一律月5000円を支給しているのが現状です。もし国会で成立されれば、その高所得者向けの児童手当である「特例給付」は廃止されることになります。

ちなみに現在の特例給付の所得制限は扶養家族の数によって異なりますが、モデルケースとして「子どもが2人」「会社員の夫」「専業主婦の妻」という家族構成の場合、夫の年収が960万円以上となると特例給付(子ども1人5,000円)の対象とはなりますが、特に年収自体の上限は設けられていません。

今回国会に提出される改正案は、世帯主の年収が960万~1200万円未満に限って特例給付の対象として、世帯主の年収が1,200万円以上の場合は特例給付を廃止する内容となっていますが、政府にコメントによると、改正案で手当が出なくなる子どもの数は61万人にのぼり、年間370億円程度の財源が得られるとのことで、その財源を待機児童解消に向けた保育所整備に充て、24年度末までに新たに14万人分の保育の受け皿確保したい計画とのことです。

今回の改正案については、「待機児童解消に必要な財源を児童手当から捻出すべきではない」「子育てに年収は関係ないから所得制限をすべてきではない」とに意見もあり、賛否両論というよりはどちらかというと否定的な意見が多いように感じます。

ちなみに今回特例給付が廃止された場合、世帯主が1200万円以上の子育て世帯はどれくらいの損失になるのでしょうか?
実際に計算してみると特例給付は月5,000円なので、年間で60,000円の損失となります。児童手当の支給対象となるのは中学生の子どもまでなので、子どもが生まれた0歳から15歳までの16年間で換算すると960,000円の損失となります。

一方で2019年10月に「幼保無償化」があったのは皆さんご存じでしょうか。幼保無償化とは認可保育園や認定こども園、幼稚園(一部除く)の保育料等について、3歳~5歳までの3年間は無償となる制度です。実際には全額とまでは行かず月額27,500円までが無償となる仕組みです。(※0歳~2歳までは低所得者のみ無償化)
この幼保無償化により子育て世代が得た利益(損失回避)というのも実は存在しており、月額27,500円なので年間で330,000円、3年間で990,000円の利益(損失回避)があったのも事実です。

つまり世帯主の年収が1,200万円以上の世帯については、幼保無償化となる前と比べると、今回特例給付が廃止されたとしても、家計への影響はプラスマイナスゼロに等しいという結果になります。考え方にもよりますが幼保無償化と結び付けて高所得者世帯の家計へのダメージを最小限に抑えたものとも考えれます。

しかし、ここで損得勘定だけの論議で終わってしまうと、国の目的が見えてこないので、もう少し掘り下げていくと、2つの疑問的が出てきます。1つは「なぜ特例給付を廃止してまで財源を保育所整備に回したいのか?」2つ目は「あくまでも世帯主の年収だけで判断されており、夫婦合算の年収で判断されていないのか?」ということです。逆に言えば「他の財源から保育所整備の財源に回せばいい」「夫婦合算で年収1,200万円以上も同じように特例給付を廃止すればいい」ということにもなりますが、ここで国の本当の目的が見えてきます。

話が少し変わりますが、日本の労働人口は20年後の2040年には1,200万人程減ると言われています(2020年に生まれた子どもが成人になる年であり、すでに生まれた子供の人数は増えることはないため人口統計からしても確実視されている数値です)
今皆さんの身近なところで言うと「女性活躍推進」「外国人労働者」「高齢者の定年延長」などのキーワードを良く目にすると思いますが、これは将来減るであろう労働人口を如何に食い止め増やしていくかのための施策であり、なぜここまで国が働き方改革を全面的に推進しているのかというと、労働人口が減ると現役世代が負担している社会保険料が減る、ついては社会保険や年金制度の収入減が減るということを意味しているからです。

つまり従来の夫婦片稼ぎモデルの場合、会社員の夫のみが働き手となっていると専業主婦である妻は非労働者(実際には家事育児も立派な仕事であることは間違いありませんが)扱いとなるため、労働人口の確保、ついては社会保険・年金制度の財源確保のためには、日本従来の夫婦片稼ぎモデルから夫婦共稼ぎモデルへと移行させたいのが国の本当の目的であるものと考えれます。その目的がわかったうえで改めて考えてみると、現在の高所得者層の世帯のうち夫婦片稼ぎモデルの世帯が割合が多いことからすれば、その分の特例給付の財源を保育園整備(夫婦共稼ぎモデル向け)に回す、世帯主の収入だけで廃止が決まる(夫婦共稼ぎモデルには影響なし)ということも辻褄が合うのではないでしょうか?

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