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働き方の多様化によって夫婦共働きの家庭も大分増え、今では夫婦世帯の2/3が共働き世帯を言われており、現代の日本では、結婚後は夫婦ともに正社員として働いたり、またはどちらかが専業主婦(主夫)やパートとして働くこともでき、夫婦話し合いによって自由に決めることができるようになりました。
一方で、税金や社会保険においては、以前の夫婦片稼ぎモデル(夫が会社員で妻が専業主婦)を前提としてを設計されていたことから、「扶養」という考え方が今も残っており、
実施に結婚するとなると「結婚後も働くのか?」それとも「パートナーの扶養に入るのか?」と考える方も多く、
「年収がいくらまでなら扶養に入れるの?」
「よく聞く年収の壁って何?」
と悩まれる方もいらっしゃいます。
今回記事では、扶養に関する年収の壁について、わかりやすく解説していてきます。
【この記事でわかること】
「扶養に入るための年収の基準がわかります!」
「共働きのメリットがわかります!」
年収の壁は全部で5つ
実際にパートナーの「扶養に入れるか?入れないか?」は、年収によって決まります。
また扶養には2種類あり、「税法上の扶養」と「社会保険における扶養」がありますが、この2種類を踏まえて言えば、年収の壁は全部で5つあり、
「100万円の壁」「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」「150万円の壁」が存在します。
これらの年収の壁を超えた場合はどうなるのか?各年収ごとに詳しく見ていきましょう。
100万円の壁(住民税)
住民税とは前年の収入をベースに課税される税金であり、収入が100万円を超えると住民税が課税されます。(※住民税は市区町村ごとに定めらており、100万円以下でも課税対象となることがあります)
夫婦共働きの場合には、夫婦のどちらかがパート・アルバイトとして働くことが想定されますので、その場合まずは住民税の100万円の壁から考えてみると良いでしょう。
103万円の壁(所得税)
税金については住民税だけではなく、所得税もあります。
所得税における年収の壁については2つの意味があり、1つは自分自身の所得税に関する壁、2つ目は配偶者控除(配偶者の所得税に関する壁)があります。
まず年収が103万円を超えると、まず自分自身の給与からその分の所得税が引かれることになります。
次に年収が103万円以内の時は配偶者控除の対象だったため、配偶者(ここでは夫とします)の所得金額から38万円控除されることとなり、配偶者である夫の所得税が軽減できましたが、103万円を超えると配偶者控除の対象外となるため、夫の所得税が増えることになります。
つまり、自分自身が所得税を払うことになり、かつは配偶者(夫)の所得税負担が増えるというのが103万円の壁の大きなポイントです。
★配偶者控除と配偶者特別控除について詳しく知りたい方はこちら↓
106万円の壁(社会保険の加入)
次に税金と同じく大事なのが「社会保険」です。
特に社会保険は扶養に入るか入らないかで、保険料負担や将来もらえる年金額も大きく変わってくるので非常に大切です。
この点において昨今の法改正によって、社会保険の適用拡大が進められており、パート・アルバイトの方の加入も多くなっているので注意が必要であり、原則として年収が106万円以上となると、勤め先の会社で健康保険と厚生年金保険に加入する可能性があり、その場合自動的に夫の扶養から外れることとなります。
ただし年収以外にも加入条件があり、
- 職場が従業員501名以上の企業
- 収入が88,000円以上(年収106万の壁)
- 勤務時間が週20時間以上
- 雇用期間が1年以上
- 学生ではないこと
をすべて満たした場合に社会保険(健康保険・厚生年金保険)へ加入することとなるため、ご自身が社会保険へ加入することになるかは会社の人事担当者等に確認しておくと良いでしょう。
また会社規模についてはさらなる法改正により2022年10月には101人以上の企業、2024年10月には51人以上の企業と対象が拡大していくので、会社に入社とした時加入しなかったものの、法改正のタイミングで途中から社会保険に加入する場合もありますので、注意しましょう。
なお、社会保険の加入については保険料負担(労使折半)が発生しますが、ケガや病気の際の傷病手当金(健康保険)や老齢厚生年金(厚生年金保険)が受給できるメリットもあります。
短期的なスパンで支出を避けたいのであれば社会保険に加入せずに働くのも良いですが、長期的なスパンで見れば社会保険に加入した方が良いのかもしれません。
130万円の壁(社会保険の扶養)
先述した「106万円の壁(社会保険の加入)」については、企業規模など年収以外にも条件があるため、条件を満たさない場合は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)には加入しないままとなります。
その場合、パートナーである配偶者が会社員として社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入していれば、その「被扶養者」として配偶者の健康保険に加入することになり、同時に第3号被保険者として国民年金にも加入することになります。
被扶養者となるメリットは、保険料負担なしに健康保険と国民年金に加入することできるという点ですが、被扶養者となるには年収が130万円未満であることが条件であり、仮に年収が130万円以上となった場合は扶養から外れることとなります。
また、扶養から外れた場合は自分自身で国民健康保険や国民年金(第1号被保険者)に加入することになり、個別に保険料を負担しなくてはなりません。
もし130万円の壁を越えてしまい、個別に保険料を負担する可能性が出てくるようであれば、勤務先で社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入した方が保険料が労使折半で負担を抑えることができ、また手当金や年金の面でも大きなメリットがあるので、健康保険・厚生年金保険への加入を検討するのが良いでしょう。
150万円の壁(配偶者控除)
所得税における扶養として「配偶者控除」があることは先述したとおりですが、「配偶者控除」についてはその名のとおり、配偶者であるパートナーの所得税が38万円控除できる仕組みとなります。
また「配偶者控除」の適用を受けるには、配偶者ではなく自分自身の年収が150万円以内であることが必要であり、年収が150万円を超えると「配偶者控除」の適用を受けることができず、その分配偶者の税負担が多くなります。
なお、150万円を超えた場合は、急に税額控除が受けられなくなるわけではなく、さらに「配偶者特別控除」の適用を受けることができます。
「配偶者特別控除」については、自分とパートナーの合計所得額で税額控除される金額が決まりますが、自分自身の年収が201万円を超えると適用が受けられなくなるので、注意が必要です。
★配偶者控除と配偶者特別控除について詳しく知りたい方はこちら↓
最後は夫婦で決めよう
夫婦共働きとするか、またどちらかがパートナーの扶養に入るかは、夫婦間の話し合いのうえ決めるのが一番です。
今回ご紹介した「年収の壁」については、その金額を見てわかるとおり、正社員として働くことよりも、パート・アルバイトや短時間労働を想定した設計となっており、わかりやすく言えば、昔で言うところの「夫が会社員として働き、妻は主婦兼パート」というモデルになっています。
一方で、今では性別に関わらない働き方の多様化が進んでいることからも、仕事や家庭での役割を踏まえたうえで、結婚後の働き方を夫婦間で話し合うことが非常に大切ではないでしょうか?
特に結婚直後はお互いに役割分担を明確にして共働きを選択する方が多いですが、出産を機にパートナーの扶養に入る方も多いのが実情です。もし扶養に入ることを選択した場合は、ぜひ今回の「年収の壁」というのをぜひ参考にしてみてください。
★専業主婦が夫の扶養に入りながら副業する方法について解説↓
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