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転勤族が家族にコミットするため「族」を抜け出した結果どうなったか?

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転勤族が家族にコミットするため「族」を抜け出した結果どうなったか?

働き方改革が進み、在宅勤務やリモートワークが可能となった今、どこにいても仕事ができる環境化となり、ワーケーション(旅行先で仕事をする)という言葉が生まれる程、ここ最近で働き方も大分変わってきました。

一方で従来の働き方が全く無くなったと言えばそうでもなく、通勤電車に揺られながら毎朝会社に勤務している方も多くいると思いますし、その中でも会社の命令で海外や日本全国各地に転勤する方もまだ多くいるのではないでしょうか?

私自身も昔は金融機関に勤務しており、11年間で4回の転勤を経験したことがあり、単身赴任も3年間程経験しましたが、今では一旦キャリアを捨てて、宮城県で仕事をしながらも妻と子供と一緒に幸せな毎日を過ごすようになりました。

今回は元転勤族である私が「なぜ転勤族をいち早く抜け出しのか?」「転勤族を辞めた結果どうなったのか?」を、実体験を踏まえながら紹介していきたいと思いますので、ぜひ働き方のヒントとしてご参考ください。

 

20代は絵に描いたようなサラリーマン

子供の時に受けた影響

私自身の経歴を少しだけ紹介すると、出身は神奈川県川崎市であり、中学受験を経て神奈川県下でも有数の中高一貫校に進学し、大学受験を踏まえ東北大学経済学部に入学、その後は就職活動を経て大手損害保険会社に就職した経歴を持ちます。

この経歴だけ見るとエリートコースを駆け上がっているかのように見えますが、私自身は特質して優秀だったわけでもなく、何か特別な能力を持ったいたわけでもありません。何となく子供の時から「良い大学に入って、大手企業に就職することが社会的成功」という考えが漠然としてあり、特に昔はスマホがなく、ようやく一家に一台パソコンが有るか無いかの時代だったので、目新しい情報に触れることもないまま、両親や学校の先生の教えがすべてという風に思っていたのかもしれません。

また私の父親も大手企業に勤めていましたが、昔はCMでも「24時間働けますか?」というワードは流行ったように、長時間働くことが美学とされていた時代であったことから、平日は深夜に帰ってきたり、土日も仕事で家にいないことも多く、週休2日制が当たり前の今からすると考えられないことかと思いますが、幼少期からそういった父親の背中を見ていたことも影響したのかもしれません。

企業戦士だった20代

そのような子供時代を過ごしていたので、大手損害保険会社へ就職後も、ひたすら仕事に精を出すことになります。とは言っても就職して間もない頃は独身生活であり、配属先も地方都市だったため、仕事しかやることがなかったというのが正直なところですが、仕事をする前提として、特に出世欲があったわけでもないのですが「頑張って仕事をしていれば、会社からも評価されて、いずれは出世するだろう」という漠然とした考えがあったのかもしれません。

また、あまり大きな声で言えませんが、昔は残業を抑制するための方法として、一定の時刻が過ぎると会社内の電気がすべて消灯する仕組みになっていたので、自前の電池式スタンドランプを持っては蛍のように仕事をしていたこと思い出します。またパソコンのLANを伝って勤務時間が管理されるため、LANケーブルを意図的に抜いたりと、正に私自身も「残業することが美学」という潜在意識を持ちながら働いていたのだと思います。

結婚して子供が出来ても変わらない考え

そして仕事が順調になり始めた頃、26歳で今の妻と結婚することを決め、その2年後には娘が生まれたりと、まさに私生活でも順風満帆な時を迎えます。

一方で、結婚前の妻は「保育士」として勤めていましたが、何ら違和感もなく、私の転勤と同時に仕事をを辞めてもらい、子供が生まれるまでも、家事との両立を考えてパートの仕事に留めてもらうことにしました。

今では、女性は家庭を守るという考えは「偏見」「女性蔑視」と言われるかもしれませんが、当時は私も妻もその点は特に違和感がなく、また私自身の年収だけでも生活に困らなかったので「男性である私が仕事」「女性である妻が家事・育児」と自然に役割分担ができていたのかもしれません。

しかし、誤解を恐れずに言えば、当時の私は転職とか仕事を辞めるとかは全く考えておらず、仕事を調整するのは妻の方が当たり前という考えがあったことは否めません(この点妻には非常に苦労をかけたと今では反省しております)

違和感を感じた30代前半

初めての単身赴任を経験

30代になると娘が小学校に入学し始めた関係で、初めて単身赴任を経験することになります。

その頃は仕事でも重要な役割を担っていたことから、仕事もより一層忙しくなりましたが、平日は朝早くから夜遅くまで仕事をするのが当たり前だった時代とは違い、社会的に残業時間に対する規制が厳しくなったことから、夜遅くまで会社に残ることができず、資料の読み込みや作成等の仕事は土日に家でするようになりました。

結局のところ、単身赴任のために週末だけでも家族のいる自宅へ戻りたくても戻れない状況が続き、久々に戻れたとしても当時は単身赴任先が埼玉県、家族のいる自宅が宮城県だったため、移動するにしても往復で半日は時間が潰れてしまうため、家族と会える時間も少なく、肉体的にも精神的にも辛かった記憶があります。

ターニングポイントは娘の涙

そのような単身赴任生活が続いていた中、ある日仙台駅の新幹線改札口まで、妻と娘が見送りに来た際に、当時6歳の娘が涙を流しながら「パパ、行かないで」と言ってきました。

娘としては寂しい気持ちを伝えるための何気ない一言だったのかもしれませんが、その日の帰りの新幹線の中で「自分は一体、何のために働いているのか?」という疑問が生まれ、その日を境に自問自答を繰り返すようになりました。

会社コミットから家族コミットへ

女性のために働くという違和感

そんな自問自答を繰り返していく中で、徐々に社会的にも働き方改革が進んでくるようになりました。その頃は昔から興味のあった「社会保険労務士」の資格勉強をしていたこともあり、私自身の中でも働き方に対する考え方も徐々に変わりつつありました。

特に金融機関でいう「総合職」という職種は、昔で言えば「花形」「エリートコース」とも言われ、主に男性をメインとしていましたが、その背景としては、主に女性がメインであった「一般職」では対応しきれない業務やトラブルをも担う役割があるからです。そのため「女性のための会社」=「女性を助ける」という男性優位の既成概念が、今でも強く残っている会社や上司は少なからず存在しています。

一方で「女性活躍推進」によって、今では「総合職」と「一般職」の差はなくなり、男性・女性の性別に関わらず、誰もが仕事において活躍できる環境が求められていることからすると、こういった既成概念を無くして、男女ともフェアに仕事ができる環境が必要だと思いますが、現実問題として、この「女性活躍推進」のために女性の役職者数を増やす「アクションプラン」を採用している企業は多いものの、数値という「形」だけの取り組みで「中身」が無いプランになりがちで、そのギャップに苦しむ社員の方々は男女共に少なくありません。

家族コミットという考え方

私自身は「女性のため」に仕事をしていたわけではありませんが、仕事の役割として自然と「女性のための仕事」をしていたように思えます。しかし、会社で男女フェアに仕事をする環境が必要であれば、そういった働き方は辞めるべきあり、また同じ女性である妻の仕事の在り方も考えなくてはいけません。

そこで自問自答を繰り返していた「何のために働くのか?」という問いに対して、これから働き方が大きく変わる中で、まずは「会社にいる女性のため」ではなく「家庭にいる妻(女性)のため」に働くことを決断し、家族にコミットする働き方を選択しました。この点において「家族のために」と思って働いている方は多いと思いますが、「(自分が)家族を養うため」という「自分が主語」になっているように思えます。

私がここで言っている「家族にコミットする」というのは少し意味が異なり、例えば「妻が働けるために自分はどうすれば良いか?」というように「妻が主語」となっていることが大切なのです。これは子供が主語でも良いですし、自分の両親でも良いのです。つまり「主役は家族であり、それに対して自分がどう行動できるか?」が根本的な考え方となります。

180度変化した行動

最後に転勤族を辞めた結果、私自身の行動がどう変わったか紹介します。

なお、転勤族を辞めてからもう1人子供(息子)が生まれたため、先程紹介した娘が生まれた時を比較して「自分の行動がどう変化したのか?」わかりやすく一覧にまとめてみました。

【娘が生まれた時(転勤族時代)】
平日は朝早くから夜遅くまで仕事、暇あれば上司と飲み
・土日は会社仲間とゴルフで楽しむ
・嫁に仕事を辞めてもらう
・ゴミをまとめるのは嫁、捨てるのは夫
・子供は幼稚園で行事も嫁任せ
・男は稼いでナンボ(30歳で年収1,000万円超え)
・単身赴任時は外食ばかりの浪費家
・家族サービスという考え
・子供に「パパだよ」と言っても「ママ」と答える

【息子が生まれた時(転勤族を抜けた後)】
平日は定時上がりで息子を保育園へ迎えに行く毎日
・ゴルフクラブをなぜ買ったのか疑問に思う
・嫁が保育士として復帰
・ゴミ捨ては「捨てる」だけではなく「まとめる」ところから
・子供の保育園行事に一人で行けます
・仕事にかまけてはダメ(年収2~3割減で少し寂しい)
・手料理のレパートリーが増える
・家族とは生活共同体という考え
・子供が自然と「パパ」と言うようになる

私自身も転勤族時代と転勤族を辞めた後で、180度行動が変わるとは思いもしていませんでしたが、辞めた直後はそれまでの仲間がいなくなったり、年収が減ったりと後悔した時期もありましたが、今では保育園の送迎や行事参加等で妻と打ち合わせすることもあり、家族としての会話が増えたように思えます。また下の息子が最初に「ママ」ではなく「パパ」と喋った時には、家族と一緒にいる時間が大切なんだと改めて実感しました。

今では、妻は子供の頃から夢であった「保育士」として職場復帰し、フルタイム勤務で働く一方、私自身は会社員として働きながらも、副業として「社会保険労務士」として改めたな働き方を模索しています。

昔は「家族のため」とは思いながらも、自分の行動がすべて「会社へコミット」されていたものでしたが、今は自分の意識や考え方さえ変えれば、自分の行動を「家族へコミット」しながら働ける時代となっています。もちろん「転勤するか、転勤しないか」も自由に選べる時代であり、自分に合った働き方が一番幸せと言えるのではないでしょうか?今回記事が皆さんの新しい働き方のヒントとなれば幸いです。

 

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