社会保険・年金制度

【働きながらの年金】在職老齢年金における総報酬月額相当額とは?

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【働きながらの年金】
在職老齢年金における総報酬月額相当額とは?

人生100年時代とも言われるようになり、また働き方についても生涯現役とも言われるようになりました。従来は60歳定年で定年後は年金で穏やかな老後生活を過ごすというのが一般的なイメージでしたが、今では定年延長等もあり年金をもらいながら働く人が多くなりました。ちなみに年金というのは、加齢による稼得能力(収入を稼ぐ力)の損失を補填する意味合いがあり、逆に言えば稼得能力=収入のある人については、年金を停止したり、年金を減額支給したりします。これが「在職老齢年金制度」という仕組みになります。ではどういう場合に年金が支給停止・減額支給されるのか?わかりやすく解説していきたいと思います。

 

在職老齢年金の仕組み

在職老齢年金の仕組みについて改めて説明すると、在職老齢年金というのは「働くことによる収入がある場合は、年金額を調整(減額または支給停止)します」という仕組みになります。もともと年金制度自体が、加齢に伴う心身の衰えによる稼得能力(稼ぐ力)の喪失を補填するための制度なので、簡単に言えば「稼げる人は年金に頼らず稼いでください」ということになります。ただし、収入のある人すべてが年金を減額されたり、支給停止されたりするなると、収入の多い人と収入の少ない人との公平性が保てなくなるので、「実際に稼いでいる収入」と「もらえる年金額」を考慮したうえで、年金額を調整(減額または支給停止)していくこととなります。ちなみに収入とは会社員としての給与が対象となるため、個人事業主などによる収入については考慮されません。簡単に言えば、老齢厚生年金をもらいながらも引き続き厚生年金保険に加入している人が対象となります。

年金はどれくらい減額するのか?

減額される年金つまり収入があることによって支給調整される老齢厚生年金のことを「支給停止額」と言い、実際の計算式は以下のとおりとなります。

なお、老齢厚生年金の年金額は人によって異なりますが、年金額は「報酬比例部分」と「加給年金部分」の2つで構成されています。「報酬比例部分」とは過去の収入実績つまりは年金保険料の納付実績により変動する年金額で、「加給年金」とは条件を満たす妻がいる場合に上乗せされる年金額となります。この2つのうち働く収入によって調整されるのは「報酬比例部分」となります。

■基本月額とは?

基本月額とは、老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額を12で割って、月額ベースに換算したものです(※加給年金額は含まれません)。

例:老齢厚生年金(報酬比例部分)= 60万円 の場合
⇒ 基本月額 = 60万円 ÷ 12ヶ月 = 5万円

■支給停止調整額とは?

厚生労働省が定めている金額であり、年によって金額が変更されたりします。概ね47~48万円ぐらいで推移しています。

■総報酬月額相当額とは?

総報酬月額相当額とは「その月の標準報酬月額」と「直近1年間の標準賞与額を12で割った金額」の合計額となります。
「標準報酬月額」とは月収(給与)に応じて設定されている金額で厚生年金保険料の基となるもので、「標準賞与額」というのは賞与(ボーナス)を基にして設定されている金額で、こちらも厚生年金保険料の基となります。
※「標準賞与額」については実際の賞与の1000円未満を切り捨てた金額で、1月あたり150万円が上限となります。

なお、総報酬月額相当額とは、総報酬制とも言われており、厚生年金保険については平成15年4月から導入された仕組みです。それまでは賞与(ボーナス)は厚生年金保険では対象外となっており、例えば同じ年収800万円でも、「月収600万円+賞与200万円の人」と「月収800万円+賞与なし」の人では、納付する保険料も違えば、もらえる年金も違っていおり平等性に欠けていました。場合によっては会社が納付する保険料を下げるため、賞与の割合を高くするといった問題もあり、総報酬制が導入されることとなりました。

 

在職老齢年金のもらい方

在職老齢年金については、働きながらの年金となるため、月収に応じて年金額が変動することとなりますし、場合によっては支給停止されますが、在職老齢年金のもらい方の基本的な考え方としては、年金額ベースで考えるよりは、自分自身の老後のライフスタイルや健康状況に応じて考えるのが良いでしょう。
例えば、健康状況も踏まえ老後は穏やかな生活を過ごしたい方であれば、仕事での収入を抑えながら年金を多く受給することも方法が良いですし、健康良好で生涯現役で働きたい方は仕事での収入を多くしながら年金を少なく受給する方法が良いでしょう。以下のとおりは早見表を作成したので、これから在職老齢年金を受給する人、もしくは検討されている方は事前に確認しておくと、今後の働き方がイメージしやすいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

 

★在職老齢年金についてもっと詳しく知りたい方はこちら↓

★年金改正「在職定時改定」について知りたい方はこちら↓

★定年再雇用と年金の関係性について知りたい方はこちら↓

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