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【社労士監修】定年再雇用後の社会保険への加入はどうなる?同日得喪の仕組み

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【社労士監修】定年再雇用後の社会保険への加入はどうなる?同日得喪の仕組み

高年齢者雇用安定法の改正もあり、今では65歳ではなく、70歳まで働くというのがスタンダードな時代になりつつあります。また企業によっては本人が希望するれば80歳まで働くことを可能にしたりと、生涯現役というのが現実味を帯びてきているのではないでしょうか?

一方で、60歳以降働くとなると、ケースとして多いのが「定年後再雇用」であり、今でも60歳で定年を迎えて、その後も再雇用というかたちで、嘱託社員や契約社員で働く方は多いと思いますが、

実際に定年再雇用で働いた人の中で、

「給料が減ったうえに社会保険料が定年前のままなので、手取り額がかなり減った」
「給料が減ったら年金がもらえると聞いていたが、すぐにはもらえなかった」

といった声も少なくありません。

なぜ、「定年再雇用後も社会保険料は定年前と同様に高いままなのか?」「給料が減っても年金(在職老齢年金)がすぐもらえないのか?」今回は定年再雇用における社会保険への加入、すなわち「同日得喪」について解説していくことで、その理由について確認していきたいと思います。

【この記事でわかること】

「定年再雇用の場合は、新たに社会保険へ加入し直すのが良いです!」

定年再雇用の現状

まず、最初に定年再雇用の現状について簡単に紹介します。

嘱託社員として働く人は約60%

独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表している「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)2020年3月31」によれば、企業に雇用されている60歳代前半の従業員の雇用形態としては、「嘱託・契約社員」が 57.9%、「正社員」が 41.6%、「パート・アルバイト」が 25.1%、「関連会社等で継続雇用された従業員(出向・転籍)」が 4.7%となっており、一旦60歳で定年を迎え、その後嘱託社員として雇用されている人が約60%を占めていることがわかります。

賃金は30%以上減る人が大半

また厚生労働省の公表資料「高年齢者の継続雇用の現状と課題」では、定年後に雇用継続された場合、企業規模や定年後の雇用形態にもよりますが、定年前と定年後の賃金では30%以上減少する人が約50~60%を占めます。

定年再雇用後の賃金については「同一労働同一賃金」の考え方について、今見直しを検討する企業も多いですが、定年前(現役時代)の給与と比べると減少することは避けられないのが現状です。

定年再雇用後に社会保険へ加入する場合

ここから本題となりますが、定年再雇用の場合、社会保険への加入については2つの方法があり、「定年前から引き続き社会保険に加入し続ける方法」と「定年時に一旦社会保険を脱退して、再雇用後に新たに加入し直す方法」があります。

では何が違うのか?実際に事例を踏まえながら説明していきます。

社会保険に加入し続けたAさん

東京都在住のAさんは、65歳で定年を迎えて、その後は同じ会社に嘱託社員と70歳まで働くことになり、定年前と定年後の月収は、
《定年前の月収》500,000円
《定年後の月収》300,000円
となり、月収は減るものの再雇用後は、年金をもらいなが働くことを考えてました。

①社会保険料への影響

この場合の社会保険料については、定年前の500,000円の月収を基礎として、
《厚生年金保険料》45,750円 《健康保険料》24,600円(※令和3年4月時点)
が定年後の月収300,000円から差し引かれることになります。

これは、社会保険料の仕組みとして、月収に応じて標準報酬月額を決めて、その標準報酬月額と基礎として社会保険料が計算されるのですが、この標準報酬月額については月収が減ってもすぐには改定されずに3ヵ月間のタイムラグが発生することになり、これを随時改定と言います。

つまり、定年再雇用後の最初の3ヵ月間は定年前の高い月収をベースに社会保険料が差し引かれることになり、手取りが意外と減ってしまうことになります。

②年金への影響

なお、Aさんは今まで会社員として厚生年金保険へ加入しており、
《老齢厚生年金》600,000円(月額50,000円)
を受給する予定でした。

しかし、働きながら年金をもらう場合は、月収(標準報酬月額)と年金額(月額)の合計額が一定額を超えると、年金が減額または支給停止される仕組み(在職老齢年金)となっています。

その際の月収(標準報酬月額)というのも、随時改定までの3ヵ月間は「定年前の標準報酬月額(500,000円)」が採用されるため定年直後の3ヵ月間におけるAさんの収入は、
《月収》300,000円
《年金月額》10,000円(※在職老齢年金の仕組みにより40,000円が減額されます)
の合計310,000円になります。

つまり本来もらえるはずの年金も減額されることになります。

★在職老齢年金について知りたい方はこちら↓

新たに社会保険に加入し直したBさん

一方で、東京都在住のBさんも、65歳で定年を迎えて、その後は同じ会社に嘱託社員と70歳まで働くことになり、定年前と定年後の月収は、
《定年前の月収》500,000円
《定年後の月収》300,000円
となり、月収は減るものの再雇用後は、年金をもらいなが働くことを考えてました。

ただしAさんとは異なり、会社からの勧めもあったことから、定年時に一旦社会保険を脱退して、再雇用後に社会保険に入り直すこととしました。

①社会保険料への影響

この場合の社会保険料については、定年後の300,000円の月収を基礎として、
《厚生年金保険料》27,450円 《健康保険料》14,560円(※令和3年4月時点)
が定年後の月収300,000円から差し引かれることになります。

Aさんの場合と同様に、月収に応じて標準報酬月額を決めて、その標準報酬月額と基礎として社会保険料が計算されるのですが、Bさんの場合は新たに社会保険に入り直したため、社会保険に入り直した時の月収(標準報酬月額)をもとに計算されますので、定年後の月収300,000円を基礎として計算されることになります。これを「資格取得時改定」と言います。

つまり、実態に適した社会保険料を負担することになります。

②年金への影響

なお、Bさんも今まで会社員として厚生年金保険へ加入しており、
《老齢厚生年金》600,000円(月額50,000円)
を受給する予定でした。

先述したとおり、働きながら年金をもらう場合は、月収(標準報酬月額)と年金額(月額)の合計額が一定額を超えると、年金が減額または支給停止される仕組み(在職老齢年金)となっています。

その際の月収(標準報酬月額)は、Bさんの場合は資格取得時改定により「定年後の標準報酬月額(300,000円)」が採用されるため定年直後の3ヵ月間におけるAさんの収入は、
《月収》300,000円
《年金月額》50,000円(※在職老齢年金の仕組みによる減額はなし
の合計350,000円になります。

つまり本来もらえるはずの年金がそのまま受給できることになります。

AさんとBさんの手取りの差は?

AさんのケースとBさんのケースでは、給与から差し引かれる社会保険料と、もらえる年金の額とを比較すると、月収の手取り額に約7万円の差(B>A)が発生します。

つまり、定年再雇用後に社会保険に再加入する方がメリットがあるのです。

手続きについて

Bさんのように定年再雇用時に社会保険に再加入する方法と「同日得喪」と言います。

なお、同日得喪についてはあくまでも定年再雇用であることが前提となっているため、①60歳以上であること、また②雇用継続(定年延長)の場合は対象外となっていることに注意する必要があります。

つまり60歳以上で、一旦定年で会社を退職する(形式上)ことが必要となります。

同日得喪手続きの方法

提出書類

年金事務所(保険者が健康保険組合の場合には、健康保険組合にも同様の手続きが必要です)に、以下の書類を同時に提出します。

・被保険者資格喪失届
・被保険者資格取得届

添付書類

上記書類提出の際に下記書類の添付も必要となります。

就業規則や退職辞令の写し等の退職したことがわかる書類
※就業規則において「定年」ついて記載がある箇所の写し 等)
・再雇用されたことがわかる雇用契約書等の写し
・従前の被保険者証
※1回社会保険の資格を喪失するので、保険証を返却したうえで新しい保険証の交付を受けます)

★実際の手続きは社会保険労務士へお任せください

まとめ

これからの時代は生涯現役とも言われているとおり、今後は70歳、80歳でも働く人が増えてくることかと思いますが、その際は雇用継続(定年延長)なのか定年後再雇用となるのか、会社とどのような形式で雇用されるのかも非常に大切な話ですので、今回を記事を参考にしながら考えてみるのも良いかもしれません。

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