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【社労士監修】病気が再発した場合、傷病手当金は再び支給される?支給期間のリセットについて解説
会社員の方が日常生活において、病気にかかったりケガをしたりした場合、加入している健康保険から傷病手当金が支給されますが、身体の病気に対して支給されるのはもちろんのこと、最近ではうつ病などの心の病気に対しての支給件数が増えています。
うつ病などの心の病の場合は、その人の心因的要素や生活環境によって、一旦仕事に復帰したあとも再発する可能性がありますし、身体の病気であれば「がんの再発」によって再び会社を休まなくてはいけないこともあります。
そのような時に悩むのが、
「病気が再発した場合、改めて傷病手当金は支給されるの?」
「支給される場合は、いつまで支給されるの?」
といった点ではないでしょうか?
病気やケガで会社を休んでしまうと、もちろん無収入の状態となりますので、傷病手当金の仕組みを理解することは非常に大切ですよね。
今回記事では「病気やケガが再発した場合、傷病手当金は支給されるのか?支給されないのか?」、支給期間がリセットされる仕組みについて、分かりやすく解説していきます。
【今回記事でわかること】
「再発しても、同一の病気や症状であれば支給期間は1年6ヵ月まで」
「支給期間がリセットされるには、社会的治癒が必要」
支給期間(1年6ヵ月)の範囲であれば再支給される
傷病手当金は同一の病気やケガに対して支給され、その支給期間は1年6ヶ月となります。この支給期間内であれば、休職した4日目から傷病手当金として、1日あたり標準報酬日額の2/3が支給されることとなります。なお、傷病手当金が支給されるためには、一番最初に継続した3日間の待期期間(仕事を3日間連続で休むこと)が必要となります。
傷病手当金は支給されるケースで一般的に考えられやすいのが、最初の6ヵ月は休職していたものの、その後症状が回復し仕事へ完全復帰した場合であり、この場合は傷病手当金は最初の6ヵ月間支給されることになり、復帰後は支給停止となります(仕事へ復帰後も給与が傷病手当金より低い場合は、引き続き支給される場合もあります)
一方で、一旦仕事へ復帰したものの、その後病気が再発してしまい再び休職した場合はどうなるのでしょうか?
この場合は、一番最初に傷病手当金が支給されてから1年6ヵ月の範囲であれば、再び傷病手当金は支給されることになります。再支給される場合については先述した3日間の待期期間は必要ありません。
一言で言えば、同じ病気やケガであれば、仕事を休職してから1年6ヵ月の範囲であれば、再発しても傷病手当金が再支給されることとなり、1年6ヵ月を過ぎてしまうと支給されないこととなります。
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1年6ヵ月を過ぎた場合は「社会的治癒」が必要
では「1年6ヵ月を経過してから病気が再発した場合、全く傷病手当金が支給されないのか?」というと、そうでもありません。実際に1年6ヵ月を経過しても傷病手当金が支給されるケースというのがあり、その場合は一旦仕事へ復帰しており「社会的治癒」が認められることが条件となります。
「社会的治癒」というのは、医学的な治癒とは異なり、病気やケガが回復して仕事へも復帰しており、通常の日常生活が送れていることを言います。つまり、ある程度仕事へも復帰できているようであれば、仮に再発したとしても別の病気と捉えて、改めて傷病手当金を支給しましょうという仕組みになります。
ただし、仕事への復帰期間が短い場合だと別の病気と捉えることが難しいため、実際には仕事への復帰期間が長い程、再発した場合でも別の病気と捉えられる可能性が高くなります。
この点においては、決まった期間というのは設定されておらず、保険者(健康保険組合など)で個々に判断されるため、心配な方は保険者へ確認を取る必要がありますが、一般的な目安としては、仕事への復帰期間は1年程必要ではないかと考えられています。
なお、「社会的治癒」が認められ、再発後の傷病手当金が支給される場合は、新たな傷病手当金として支給されるため、改めて3日間の待期期間(仕事を3日間連続で休むこと)が必要となります。
別の病名でも同一原因の場合は注意が必要
冒頭で傷病手当金は同一の病気やケガに対して支給されるとお伝えしていましたが、厳密に言えば、同じ1つを原因として傷病に対して支給されることとなります。
身体の病気で言えば、胃癌をもとに当初休職していた人が、仕事へ復帰後、別の部分に癌が転移した場合は、胃癌という同じ1つの原因となるため、傷病手当金は胃癌をもとに休職したときから1年6ヵ月間に限定されることとなります。
また心の病気では言えば、同じ症状でも「うつ病」や「適応障害」「自律神経失調症」等、様々な病名がつけられることもあるため、病名だけで判断しないように気をつけましょう。
最後に
基本的な考え方としては、傷病手当金の支給期間は支給が開始されてから1年6ヵ月間となりますので、その範囲であれば病気が再発しても再度支給を受けることができます。逆に1年6ヵ月を超えた場合については、同一の病気であれば1年程の復帰期間が必要となります。特にうつ病等の心の病や精神疾患は再発するケースも多いため、病名だけで判断しないよう注意しましょう。
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