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【副業のバレるバレない問題を解消!】会社に副業を伝えるべきたった1つの理由
2018年に厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定され、副業解禁が注目を浴びるようになり、日本企業でも徐々に副業を解禁する企業が増えています。
しかし一方でいまだに副業を禁止してる企業も多いことから、「会社にバレないだろうか?」「会社にバレた場合はどうすれば良いのか?」という風に心配をされている方も多いと思います。
実際のところは、2020年9月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定されており、近い将来これから副業・兼業については社会全体に浸透していことなり、もはや副業についてバレるバレないということではなく、きちんと本業の勤務先に対して伝えることが必要となります。本業の勤務先からもこれからは副業・兼業をしているかしていないのか従業員に対して届出を求めてくるケースも必要となってくるため、なぜ今後は副業・兼業をきちんと勤務先に対して伝えることが重要なのかそのポイントについて解説していきます。
労働者に求められる義務
会社に雇用される場合に、労働者に求められる義務としては主に3つ、各義務については以下の通りとなります。
- 秘密保持義務
勤務先における社内情報は外部へ漏らしてはいけないということになります。
簡単に言えば社外秘の情報や社内でしか知らない情報を外部へ持ち出すことを言い、場合によっては懲戒解雇や損害賠償の問題へと発展する場合もあります。- 競業避止義務
労働者は所属する企業と競合する会社・組織に就職したり、競合する会社を自ら設立したりするなどの競業行為を行ってはならないという義務のことを言います。
わかりやすく言えば同業他社への副業がこれに該当します。- 職務専念義務
当然給料をもらうからには、給料に見合っただけの業務に専念しなければなりません。
副業によって本業の業務に支障があった場合については、副業が認められないケースもあります。
会社に求められる義務
一方で会社が従業員を雇用する場合、一番大事な義務が安全配慮義務になります。
- 安全配慮義務
労働契約法においては会社は労働契約に伴い労働者がその生命・身体などの安全を確保し労働することができるよう必要な配慮を行うものとされており、長期労働時間による健康管理等がこれに当てはまります。
そのうえで、会社は従業員の労働時間管理を適切に行うに必要があります。
大事な労働時間管理
この労働時間については、労働基準法において「労働時間は事業所(会社)を異にする場合においては、その労働時間の適用については通算する」としています。ちなみに労働時間については同じく労働基準法において1日8時間一週間で40時間が限度とされておりそれを超える時間は時間外労働となります。時間外労働については健康管理の面からも大事なポイントになりますが、もう一つ大事なポイントは割増賃金(残業代)が発生する点であり、割増賃金率は25%以上、深夜に及ぶ場合は50%以上となります。副業の場合は、各会社における労働時間を通算するわけですから、その時間が1日8時間もしくは一週間で40時間を超えた場合、 割増賃金が発生することとなります。
割増賃金が発生するケース
例えば割増賃金が発生するケースとして、本業(A会社)で1日8時間の労働時間で労働契約を結び、その後、副業( B 会社)で1日4時間の労働時間で労働契約を結んだ場合、すでに1日8時間の限度時間を超えているため、この場合は後に労働契約を結んだ B 会社から4時間分の割増賃金をもらうことになります。
もう一つの例として、先に本業(A会社)で月曜日から金曜日まで1日8時間の労働時間として労働契約を結び、その後副業(B会社)で1日4時間(土曜日のみ)の労働時間で労働契約を結んだ場合、すでに一週間40時間の限度時間を超えているため、この場合も後に労働契約を結んだ B 会社から4時間分の割増賃金をもらうことになります。
許可制から届出制へ
従来は副業を禁止している企業が多く、副業を許可制としている企業もありましたが、 厚生労働省の副業兼業の促進に関するガイドラインにおいては、職業選択の自由とのことから原則として副業は認められるべきものと示されています。よって企業としては副業を認める一方で、労働時間管理の観点からは従業員に対して「副業兼業の有無」や「副業してる場合の労働時間」等の届出を求めてくる可能性が高いものと思われます。
副業を会社に伝えるべき理由
会社が従業員に対して副業に対する届出を求めることになった場合、 きちんとその届出をしておくことが大事となります。
その理由としては、きちんと副業している事実を届け出ることで、 適切な労働時間管理が行われ、長時間労働に対する割増賃金がもらえたり、また健康管理措置(健康診断や産業医による面接指導など)が行われることにより、金銭面・健康面でのメリットがあるからです。逆に届出をしなかったたり、副業を隠しているとなると、企業としても適切な労働時間管理ができず、結局のところ割増賃金が払われなかったり、健康を害するなどの問題が発生し、それは届出をしなかった本人の責任となってしまいます。また副業によって本業での労務に支障が出てしまった場合、職務専念義務に反することとなり、場合によっては就業規則の定めによって懲戒解雇ということにもなりかねません。金銭面でも健康面においても、また自身の身を守るためにも副業の事実は会社に伝えた方が良いでしょう。
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